負けるな、琉球コラソン!

watanatsu

2009年08月29日 22:48

 いよいよ明日の日曜日は、衆議院議員選挙(および最高裁判所裁判官・国民審査)の投票日。
 わが沖縄には、なんとその前夜に記者会見を開いてしまう、スポーツ・チームがあった。
 あぁ、もっと違う日を選べばよかったのにぃー、と今わたしがぼやいても始まらない。

 そのチームこそは、ハンドボールのトップリーグ(日本ハンドボールリーグ)参戦2年目を迎える「琉球コラソン」である。
 その新陣容お披露目の記者会見と懇親パーティが、土曜の夕方、那覇新都心で開かれたのだ。

 わたしは他の用事(選挙とは関係ないけれど)も次に控えていたので、記者会見しか参加できなかったが、ともかく行ってきた。

 ほかには、琉球新報と沖縄タイムスの運動部から、顔見知りの記者が一人ずつ来ていた。つまり報道陣は、合計3名しかいないわけで、ちょいと寂しいと思ったのは、わたしだけではあるまい。テレビ関係者は、NHK・民放3局どこからも、ただの一人も来ていなかったのだ。やっぱりタイミングが悪すぎたのか。。。それにしてもなぁー、という話である。

 わした島のわったーチームと沖縄県民に認知してもらうためのプロモーション活動が、まだまだうまく行っていない。スタッフの皆さんには、チーム経営戦略の再考、熟慮をお願いしたい。
 わたしは心からこのチームを応援したい、と思っているので、あえて苦言を呈しておきたいのである。

 日本ハンドボールリーグ男子8チーム(昨年の10チームから2チームが撤退)の中で、親会社を持たないクラブチームは、わが琉球コラソンのみ。市民県民、地域企業、そしてマスコミの、さらなる支援なくしては、存続もおぼつかなくなる。

 理想は、沖縄の子供たちに夢を与えられるような「ハンドボール王国・沖縄」ならではのトップチームを創ること。それが、今季から球団代表兼監督も務めるチーム創設者・田場裕也選手(当分選手としての登場はないはず)の、当初からの考え方である。

「ハンドボール王国都市宣言」をした浦添市のチームを中心に、沖縄のハンドボールは、小・中・高校ともに、全国トップクラスの実力を誇っている。たとえば今年も、田場代表の母校・興南高校が、インターハイで全国優勝を成し遂げた(決勝戦も圧勝だった)。

 しかし、大学・社会人に強いチームがないために、人材は県外へ流出する一方である。それを食い止めて、「ハンドボール王国」にふさわしいプロのトップチームをつくり上げたい。その志のもとに、「琉球コラソン」は発足したのである。

 プロチームを目指していたはずだったが、しかし、現実は厳しかった。
 昨年も今年も、選手は皆、地元企業や個人店舗などで働きつつ、夜のわずかな時間を練習に当てている。 新戦力を呼んできたいところだが、「雇用環境」が厳しくて(沖縄には仕事が少なくて)、それも強気に推し進められない状態。

 そして記者会見で発表されたのは、新戦力補強どころか、昨年18名いたチームから5名が退団した結果の13名の選手たち。昨シーズン指揮をとった東長濱秀吉監督も実質的にはチームを離れ(田場代表の説明では、総監督的立場で関わるとのこと)、しばらくは、代表取締役も監督も、田場選手が兼務するというのである。
 きょうのわたしは、正直なところ、ショックを隠すのに必死だった。田場代表から新スタッフも紹介されたのではあるが、しかし、厳しいチームの現状ばかりが、ビンビンひしひし、伝わってきてしまったのだ。

 田場裕也さんの表情も、夢へ向かってまっしぐらに燃えていたひと頃のようには、輝いていない。きっとご苦労の連続なのであろうとお察し申し上げる。

 ただ、救いは、選手たちの目の輝き。仕事や家庭を背負って、社会人として真っ当に生きながら、大好きなハンドボールに持てる力を注ぎ込もうとしている。彼ら一人ひとりから、わたしは勇気と元気をもらって帰ってきた。その顔には「きついのは、最初からわかってます。でも俺たち頑張るから、ぜひ観に来てくださいよ!」と書いてあったのだ。

 もちろん、応援しますとも。あなたたちが、「やっててよかった、頑張ってよかった」としみじみ思えるその日まで。

 不況下とは言え、わがコラソンと比べものにならぬほど資金潤沢な大企業チームに、今年もあなたたちは、挑戦者の立場で向かっていく。
 その姿をしっかり、この瞼に焼き付けたいと思う。

 読者の皆さん、開幕試合は、9月5日(土)14時から、沖縄ハンドボールの「聖地」浦添市民体育館で行われます。
 愛知県から豊田合成チームを迎えての、注目の一戦です。

 入場料は、大人1000円、子供600円。今どき、非常にお得なスポーツ観戦料だと思いませんか。
 正直なところ、当日の体育館は、たとえばブロバスケットの琉球キングスのようなエンターテインメント空間とはちょっと違う雰囲気かもしれません。しかしこのチケット、ずはり「応援料」「カンパ」のつもりで、購入されてはいかがてしょうか。

 チーム関係者にも、当然さらなる経営努力は望みたいところですが、わたしたちの応援が選手たちに力を与えることも、また事実です。
 チーム状態が非常に厳しい今のうちから応援しておくと、あとで喜びも倍増するかもしれませんよ!

 ハンドボールが、激しくスリリングなスポーツであることは、間違いありません。
 
「ハンドボールを日本でも、もっとメジャーなスポーツにしたい。そのために、自分はスペイン1部リーグで戦ってきます」と言って旅立った宮﨑大輔選手(元・大崎電気)の気持ちもわかる気がします。

 ハンドボールをもっとメジャーに! 
 わが琉球コラソンの前途に光あれ!
 わたくし渡瀬もかげながら、琉球コラソンを、今季も応援してまいります。


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