極私的ニュース解説。普天間移設問題・25
昨日(26日)、身近な人物からこう教えてくれた。
「きょうの読売は、意外とまともなこと書いてましたよー。たしか、政治部の女の人が、総理は名護の民意を尊重しろ、っていう意味のこと、署名記事で書いてましたなぁ」
どうやら、普天間問題について、読売にしては(!)ちゃんとした記事が載っていて、意外に思ったらしい。
つまり、前日の読売社説に対するわたしの愚痴を知って、大いに関心をもってくれていたのだ。ありがたい限りである。
わたしが咄嗟に返したのは、こんな言葉だった。
「それじゃ、自分の会社の社説に歯向かったことになりますよ、その政治部の記者さん! あ、わかった。前の日(25日付)の社説があまりにも沖縄の民意をバカにした酷い記事(26日朝の当ブログ参照)で、読者の抗議が殺到したから、それで、社説とは別の見解を誰かに書かせよう、ってことになったんですよ、きっと」
というわけで、さっき、ウォーキングがてら最寄りの図書館まで行って、チェックしてきた。
たしかに、その記事はあった。第2面(総合面)、「混乱の責任 首相に」という見出しと、政治部次長 飯塚恵子という署名が目に飛び込んできた。
記事は平野官房長官への批判から始まる。
《日米が2006年に合意した米軍普天間飛行場の移設計画を鳩山政権が白紙に戻した最大の理由は、沖縄の民意を尊重し、沖縄の過重な基地負担を軽減するためではなかったのか──。沖縄名護市長選から一夜明けた25日、そもそもの原点をないがしろにするような平野官房長官の記者会見を聞いて、あぜんとした》
このあと、普天間移設受け入れ反対の稲嶺進氏が当選したのに、「(選挙結果を)斟酌しなければならない理由はない」と発言したことを痛烈に批判している。
わたしは、ちょっと驚いた。同じ新聞が、つい前日に堂々と社説に掲げた見出しは、「それでも辺野古移設が最善だ」である。
わたしなんぞは、読売新聞なら、例の社説担当者かその息のかかった記者が、「平野官房長官の勇気ある発言に、現行計画実行への可能性を見た」という記事を書きかねない、と思っていたほどだ。
読売内部にも、普通の神経をもった人がいることだけはわかった。
(この項、つづく)
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