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2009年11月09日

県民大会から一夜明けて、極私的メディア・チェック!!

 県民大会から一夜明けて、新聞をじっくり読み、気になるブログをチェックしたりして、今朝はちょっぴり余韻に浸る時間をもちました。
 
 きのうステージに立って意見表明をした渡具知武清さんファミリー(名護市瀬嵩在住)のことも、当然ながら、新聞記事で大きく扱われておりました。

 手元の新聞でテレビ番組欄を確かめると、きょう夕方のローカルニュースではNHKと民放3局がこぞって県民大会を取り上げることになっているのがわかりました。

 それ以外の全国放送では……、と目をくばると、テレビ朝日系の「スーパーモーニング」のところに、「基地〝迷走〟沖縄は」の文字を発見。
 どうせ短時間だろうから、とテレビのスイッチを入れました。

 リポーターの所さんという人が普天間基地の地元・伊波洋宜野湾市長(県民大会の共同代表の一人)の単独インタビューも行った上、限られた時間枠の中で、「普天間基地の即時閉鎖・撤去を望んでいるけれども、県内移設など到底許されない」という「沖縄の民意」を伝えようとする姿勢は見えました。
 東京発の番組のなかでは、まともな取り上げ方をしているほうかな、、、と眺めていると、番組のレギュラー陣といってよいのでしょうか、毎日新聞社出身(元「サンデー毎日」編集長)のキャスター・鳥越俊太郎氏がこういう意味のことを語っていました。

 今の日米合意は、ブッシュ政権と自民党政権のときのものであって、日米ともに政権が変わったのだから、鳩山政権はアメリカと、ゼロベースから話し合えばいい。マニフェストに立ち返って、きちんとアメリカに意見をいうべき。沖縄の中で移設をすることは難しいのだから、移設を言う前に、まず普天間基地の撤去が必要だ、と伝えるべきだと思う。

 同じテレビ朝日系の番組ですが、きのう田原総一朗氏が示した、「現行計画」を肯定するしかないだろうといわんばかりの態度とは、180度違うものでした。

 つまりは、鳥越氏が示した、ジャーナリストとして人間としての真っ当な感覚・意識に、ホッと救われた思いがしたのです。

 こういう言論人がいる限り、沖縄は、決して孤独ではない。あきらめずに訴えていけば、「沖縄の民意」に共感する人を、全国に増やしていけるはず。そう思わせてくれました。


 さて、身近な範囲のご報告。
 昨夜わたしは、糸数未希さんからメールをいただき、どんな「メッセージの旗」が仕上がったか、写真も添付されていてありがたかった、と書きました。

 しかし、ネット上を映像が飛び交う時代に、現物の写真を紹介できないのも、どうしたもんかなー、と少しばかり反省したのです。またしかし、反省はしても、写真をブログで公表する方法を、わたしは未だにマスターしておりません。当分無理です(機械オンチの開き直り!!)。
 
 よって、人様のブログの力をお借りします。
 全長8メートルにも及ぶ旗の全体の雰囲気がわかる写真と一部クローズアップの画像もあります。

 石川真生さんのブログhttp://blog.livedoor.jp/ishikawamao/

 真生さんや未希さんの友人で「旗」の発案者・友利真由美さんのブログhttp://elephantlife.ti-da.net/

 辺野古浜通信http://henoko.ti-da.net/

 そして、中学生の映画監督・ハンドルネーム「プラティ」こと仲村颯悟(りゅうご)君のブログhttp://mikan.ti-da.net/


 とくに、知る人ぞ知る若き映画監督・仲村君のブログ「楽しい生活」には、「メッセージの旗」の紹介のほかにも、嬉しい発見がありました。

 いちばん嬉しかったのは、ステージでスピーチをした小学6年生の渡具知武龍(とぐち・たけりゅう)君がマイクを握った写真を紹介してくれている点。
 しかも、「いろんな方の意見表明があったなか、名護市瀬嵩からはるばるやってきた渡具知武清さんファミリーの意見表明は、とてもスゴかったです」というコメントを添えてくれています。
 さすが仲村監督!! と思うと同時に、集会直後に渡具知武龍君本人と交わした会話を思い出しました。

「(このオジサンのこと)覚えてる? 真生さんの写真展(今年6月、名護博物館にて)のとき、一緒にビデオ観たさぁー」
「あーっ、はいはい(笑)」(当方の顔をじっと見て、すぐ思い出してくれたあなたは、偉い!!)
「素晴らしいスピーチだったね。聞いてる人みんなの心に、ちゃんと届いたと思うよ」
「もしそうなら、嬉しいです。でも、途中でカンじゃったから(苦笑)。カマなければ、もっと伝わったと思うので、、、」
「大丈夫よー、りっぱだったよ、お疲れさま!!」(と、思わず武龍君の肩を叩いたわたくしめ)

 というわけで、ちょっと見ないうちに、武龍君の身長はまた伸びてまして、口ぶりも大人っぽくなってまして、受け答えは照れつつも、ますます堂々としてきておりまして、、、ひたすら頼もしい限りであります。そこいらへんの大人よりしっかりした小学6年生、と言えるかもしれませんね。
 両親の育て方がいかに素晴らしいか、伝わってきます。

 そして、この渡具知ファミリーの訴えを、彼より少しだけ年上の、これまた大人顔負けのしっかりした意識をもっている中学生・仲村颯悟君(参考記事はこちら→http://nakanomachinonaka.ti-da.net/e2529742.html)が、その豊かな感受性で、きちんと受け止めてくれていたわけです。
「プラティ」君のブログを見て、本当に嬉しくなりました。

 こういう才能豊かな少年たちが、すくすく育っている、この沖縄です。捨てたもんじゃありませんよね。

 で、武龍君が何を訴えたか。琉球新報は、本日9日付社会面で大きく取り上げていますが、まだ(あるいは、ずっと?)WEBで読めません。
 ぜひWEBサイトでも読めるようにしてほしいのですが、待っていられないので、わたしなりの説明および記事抜粋をお届けしましょう。《》内が琉球新報記事からの引用部分。


 渡具知武龍君は、それまで子供に恵まれなかった渡具知夫妻がようやく授かった子供です。しかし、母・智佳子さんのお腹のなかにいるときに、「辺野古海上基地建設計画」が浮上しました。そして彼は、1997年、名護市民投票で基地建設反対派が勝利した年に生まれています。だから、今12歳です。

《「大人になると、約束したことを守らなくてもいいのですか」(中略)純粋でまっすぐな問いかけが会場に響いた。「造らないと決めたのに、なぜ今も造ることになっているのですか」と疑問が続いた》

 渡具知ファミリーは、今も、毎週土曜日の夕方18時、家族五人で辺野古の米軍海兵隊キャンプシュワブのゲート前に立ちます。ピースキャンドルを手にして、穏やかに、行き交うクルマに手を振ります。米兵のクルマにも手を振ります。そういう静かな、根気強い運動を、丸5年も続けているのです。
 父の武清さんいわく、「この子たちのために、絶対に新基地は造らせない、という気持ちだけで始めた運動です。そして今も、辺野古の海には、まだ杭一本打たせていません」。渡具知さんの職業は、測量士であるから、基地受け入れ賛成派の土建業界から、快く思われないのは当然とも言えました。仕事が減ってしまう不安とも戦いつつ、それでもこの「静かなる平和運動」をやめることはなかったのです。

《初めは、両親がどうしてそこまで反対運動に一生懸命なのか分からなかった。だが次第に「兄弟や子供たちのために頑張っていることを感じるようになった」と振り返り、両親に感謝した。
 家族で登壇するよう依頼を受けた後、渡具知君は「やるならちゃんとやらないと」と、友達も含め全国民に思いを伝えるため、必死に考えた。生まれる前から反対運動をしてきた両親に感謝の言葉を送るとともに〝約束〟について強く言おうと決めた。
「鳩山総理、『基地を造らない』はとても大切な約束です。約束は必ず守ってください」
 渡具知君の一言一言に会場の参加者も強く共感。涙ぐむ人もいて、それぞれが大きな拍手で渡具知君の思いに応えていた》


 白状します。わたしも、思わずウルウルしてしまった聴衆の一人です。
 
 それからもうひとつ、どうでもいい余談かもしれませんが、プラティ君(仲村君)のブログの県民大会会場の風景(すり鉢状の劇場の観客席後方からの眺め)を写した写真で、発見したことがあるのです。
 彼の写真をひと目見て、これは明らかにわたしが座っていた位置に近いところから撮っているなー、と思ったのですが、次の瞬間、笑いました。
 まだ面識のない仲村君のカメラが、わたしの後頭部を、しっかりとらえているではありませんか。
 ブログの写真では、右端のいちばん手前、タオルを帽子がわりに頭に巻いているヤツがいます。それが、わたくしめです。わたくしの頭です(笑)。

 なんだか、みーんな繋がっているんだな、という奇妙なほっこりとした連帯感のようなものを感じて、心なごんでしまいました。
 昨日、別れ際の、渡具知智佳子さん(武龍君の母)との言葉のキャッチボールを、今噛みしめています。
「それじゃ、また改めて。頑張ってくださいね」
 というわたしの言葉に、こんな力強い返球がありました。
「はい。……いえいえ。一緒に頑張りましょう(微笑)」


 本日も、長くなりましたが、当ブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。
 皆さん、沖縄の良き未来のために、ゆっくりじっくり、頑張ってまいりましょう。

                          

 では、良き日々が続きますように。



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Posted by watanatsu at 16:45 │時事問題