2010年04月01日
琉球新報「落ち穂」再録。沖縄の底力・7 甲子園
おはようございます。
きのうの琉球新報「落ち穂」欄のコラムは、こんな内容でした。
【落ち穂】
沖縄の底力・7 甲子園
渡瀬夏彦
(ノンフィクションライター)
29日の甲子園、興南高校は智弁和歌山高校との試合に快勝して、準々決勝進出を決めた。本日31日には、帝京高校とベスト4をかけて戦う(雨天などで順延のない限り)。
そこで、気の早い「予想」をあえて書いてしまおう。
この春、興南ナインが見せた「充実ぶり」はもちろん賞賛に値するが、今年の興南は、「夏の甲子園」でも全国の頂点を狙えるチームになる。
島袋・山川のバッテリーをはじめ主力選手は、甲子園出場も3季連続。しかも過去2回は初戦敗退。その悔しさと今大会の「初戦突破」にかかる重圧は相当のものがあった。
しかし興南ナインは、プレッシャーをはねのけて、中身の濃い野球で上位進出を果たした。その場しのぎの強がりではなく、本当の意味で「プレッシャーを楽しむ」ことができるチームになった。
我喜屋優監督のこれまでの「沖縄はもう、いつでも全国制覇を狙えるレベルにある」「今年の興南は、全国トップレベル校と堂々勝負できるチーム」といった発言も、大きな説得力をもって、胸に響いてくる。
「打てない興南」の汚名を返上して余りある成長をも、しっかり見せてくれた。
よくぞここまで来た、と思われている読者も多いだろうが、筆者も個人的に感慨を深くしている。08年の暮れ、フリーマガジンの編集長を務めさせていただいていたときのこと。09年春のセンバツ出場を確実にした我喜屋優監督、沖縄尚学高校の比嘉公也監督(08年春の甲子園優勝)、浦添商業高校の神谷嘉宗監督(08年夏の甲子園ベスト4)の御三方の座談会の司会を務めさせていただいた。
その時点で、3人の指導者の意見が一致したのは、「県勢の夏の全国制覇も近い」という点と、選手たちを「野球バカ」にするのではなく、学校も地域もみんなで力を合わせて「人間を育てていこう」という点だった。
興南ナインだけが凄いのではなく、嘉手納高校の躍進を見てもわかるように、その背景に野球関係者の莫大な努力の蓄積があるのが、わが沖縄である。そのことを思い出させてくれたセンバツ大会。本日も、チムドンドンなり。
(2010年3月31日・琉球新報文化面掲載)
さて、甲子園の天候はどうなりますか。
本日も良き一日になりますように。
きのうの琉球新報「落ち穂」欄のコラムは、こんな内容でした。
【落ち穂】
沖縄の底力・7 甲子園
渡瀬夏彦
(ノンフィクションライター)
29日の甲子園、興南高校は智弁和歌山高校との試合に快勝して、準々決勝進出を決めた。本日31日には、帝京高校とベスト4をかけて戦う(雨天などで順延のない限り)。
そこで、気の早い「予想」をあえて書いてしまおう。
この春、興南ナインが見せた「充実ぶり」はもちろん賞賛に値するが、今年の興南は、「夏の甲子園」でも全国の頂点を狙えるチームになる。
島袋・山川のバッテリーをはじめ主力選手は、甲子園出場も3季連続。しかも過去2回は初戦敗退。その悔しさと今大会の「初戦突破」にかかる重圧は相当のものがあった。
しかし興南ナインは、プレッシャーをはねのけて、中身の濃い野球で上位進出を果たした。その場しのぎの強がりではなく、本当の意味で「プレッシャーを楽しむ」ことができるチームになった。
我喜屋優監督のこれまでの「沖縄はもう、いつでも全国制覇を狙えるレベルにある」「今年の興南は、全国トップレベル校と堂々勝負できるチーム」といった発言も、大きな説得力をもって、胸に響いてくる。
「打てない興南」の汚名を返上して余りある成長をも、しっかり見せてくれた。
よくぞここまで来た、と思われている読者も多いだろうが、筆者も個人的に感慨を深くしている。08年の暮れ、フリーマガジンの編集長を務めさせていただいていたときのこと。09年春のセンバツ出場を確実にした我喜屋優監督、沖縄尚学高校の比嘉公也監督(08年春の甲子園優勝)、浦添商業高校の神谷嘉宗監督(08年夏の甲子園ベスト4)の御三方の座談会の司会を務めさせていただいた。
その時点で、3人の指導者の意見が一致したのは、「県勢の夏の全国制覇も近い」という点と、選手たちを「野球バカ」にするのではなく、学校も地域もみんなで力を合わせて「人間を育てていこう」という点だった。
興南ナインだけが凄いのではなく、嘉手納高校の躍進を見てもわかるように、その背景に野球関係者の莫大な努力の蓄積があるのが、わが沖縄である。そのことを思い出させてくれたセンバツ大会。本日も、チムドンドンなり。
(2010年3月31日・琉球新報文化面掲載)
さて、甲子園の天候はどうなりますか。
本日も良き一日になりますように。
Posted by watanatsu at 06:37
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