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2010年05月23日

「うちなーぬちむぐくる」(沖縄の肝心)を示すべき日。

昨日は、周知のとおり、琉球ゴールデンキングスは、bjリーグ・プレイオフの西地区決勝戦に臨み、65対84で大阪エヴェッサに敗れてしまった。完敗だった。

わたしは東地区決勝戦(102対75で浜松・東三河フェニックスが新潟アルビレックスBBを下した試合)を最後まで観戦し、有明コロシアムをあとにしたのは、22時過ぎだった。

それからわたしは、迷わずある場所へ向かった。品川区の青物横丁界隈にある居酒屋だ。

キングスのブースター・ブロガーの代表選手として知られている「さばに」さんhttp://kings.ti-da.net/が、試合前の段階から今夜「キングス・ファン」の集いに来ないかと、誘ってくれていたのだ。

祝勝会のはずが残念会に変わっても、とても楽しい素敵な飲み会だった。わたしはひたすら、ウーロン茶やジンジャエールで楽しませてもらった。ざっと60~70名ぐらい集合したのではなかろうか。キングス・ファンの豊かな心根を実感できる場となって、わたしとしてはキングス敗北の悔しさを超えるだけの、大変にありがたく嬉しい思いを味わう夜となった。

おかけで、仕事場のある東京郊外某市への終電車をあきらめ、何年ぶりかでカプセルホテルに泊まることに。有明と仕事場の間には、じつは電車で往復3時間の距離がある。時間と電車賃は節約できたので、よしとしよう。で、今は、ネットカフェにてブログ更新中。


このキングス・ファンの集いについての感想は、また改めて書くかもしれない。
ともかく、皆さん、飛び入り参加のわたくしめを温かく迎えて、貴重なお話をいろいろ聞かせてくださって、ありがとうございました。改めて、誘ってくれた「さばに」さんに感謝である。

ひとつだけ、昨夜のエピソードを。居酒屋に到着したとき携帯のバッテリー切れに気づいて、写真が撮れなかったのは残念なのだが、今シーズン途中までキングス・ホームゲームのMCとして会場を盛り上げ続けた、あのダンさん(じつは、有明コロシアムでも急遽マイクパフォーマンスを披露)もこの居酒屋にかけつけ、惚れ惚れする「生声」で、「キングスMC」を演じてくれたのである。感激したことは言うまでもない。


きょうキングスは、13時から、新潟との3位決定戦。
もはや順位より、伸び伸びと生き生きと、キングスらしいバスケを見せてくれることを願うのみ。
結果を気にせず、来季につながるゲームにしてほしい。

キングス、今季の正真正銘の最終戦だっ、ちばりよーっ。

               *

話題変わって、きょうは沖縄にとって、迷惑きわまりない首相訪問の日だ。

まずは、以下の新聞記事を読んでいただきたい。本日の社説がすでにweb で読めるようになっていたので、皆さんご確認を。長くはないので、あえて全文引用します。

琉球新報・2010年5月23日・社説
〔首相再来県〕 原点に返り「県外」追求を
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-162483-storytopic-11.html

 鳩山由紀夫首相が23日、再度沖縄入りする。米軍普天間飛行場の県内移設に理解を求めるのが目的だとすれば、徒労に終わるだけだ。2度も出向いて誠意を示したと言いたいのだろうか。それではアリバイ作りでしかない。

 県民の多くが求めているのは「国外・県外移設」「無条件返還」であり、何度足を運んでも答えは同じだ。

 首相は昨年8月、衆院選に向けた主要6政党の党首討論会で「(普天間飛行場は)最低でも県外移設が期待される」と言明した。全国の米軍専用施設面積の74%が集中し、さまざまな基地被害にさらされている沖縄県民の負担を少しでも和らげたいという純粋な思いから出た言葉だったと信じる。

 米軍基地は有事の際、敵の攻撃対象になる。万一攻撃を受ければ多数の県民が巻き添えになるのは必至だ。基地の集中は生命軽視に等しい。これ以上の差別はない。

 国は太平洋戦争で沖縄を本土防衛の「捨て石」にし、約9万4千人もの一般住民を死なせた。兵士らを含めると12万人以上の県人が犠牲になっている。

 普天間飛行場を沖縄や徳之島に押し付けるのは、辺境の地を「捨て石」にして本土住民の安寧を保つ発想であり、戦前と大差ない。

 沖縄は凄惨(せいさん)を極めた地上戦を経て米軍に占領された。米国の施政権の下、広大な土地が軍用地として接収され、自治権も抑圧された。
 
 本土復帰後も巨大な基地は存続した。米軍人・軍属による犯罪は日常茶飯事で、米軍機の墜落や誤射なども起きている。基地周辺の騒音被害は甚大だ。

 本土には「基地から経済的な恩恵を受けているからいいじゃないか」との意見も一部にあるが、県民総所得に占める基地関係収入の割合は約5%で観光収入の半分以下だ。むしろ立地条件のいい場所を軍用地に取られ経済発展を妨げている側面が強い。経済的利点を強調する人は自分の地元に誘致すればいい。

 鳩山首相の初心は正しかったが、米国や日本の官僚に洗脳されたのか、「県内移設」に回帰した。

 今や取り返しのつかない過ちを犯そうとしている。過失を犯したと分かればためらわずに改める姿勢が為政者には欠かせない。改めようとしないことこそ真の過失であり、将来に禍根を残す。鳩山首相は沖縄の現実を曇りのない目で見極め、初心に帰ってほしい。

               *


怒りを抑制した筆致である。この社説の言わんとするところ、同感である。
とくに県外の皆さん、わが事としてお考えくたさい。


あ、琉球新報で思い出したのだが、昨日5月22日の新聞を、琉球新報・運動部の普久原裕南記者が飛行機に乗って届けてくれた。「キングス負けちゃいましたけど」と言いつつ、徹夜で自分が仕上げた18~19面ぶちぬきのキングス特集記事の載った紙面をプレゼントしてくれたわけだが、彼はこうも言い添えてくれていた。

「普天間問題の座談会もあるので、きょうはいろいろ、面白いと思います。差し上げますんで、ゆっくり読んでください」

運動部の記者である普久原氏が、わたしが「普天間問題」に強い関心を寄せているという事実を気にかけてくれている、そのことも嬉しかった。

その座談会記事は、14~15面の両面をたっぷり費やしていて、3人の出席者にまず注目させられた。

橋本内閣首相補佐官、小泉内閣内閣官房補佐官などを務めて「辺野古新基地建設計画」を推進してきたはずの岡本行夫氏。

東大法学部・大学院教授の藤原帰一氏。

早稲田大学・大学院教授の江上能義氏。

立場の違う三氏の意見がどうぶつかるのか、興味深いものがあった。

そして、さらに親近感を覚えたのは、司会を務めたのが、面識のある人だったからだ。
琉球新報・政治部長の松元剛氏。

昨年あるパーティで名刺交換させていただいてから、わたしが密かに注目していた人。
僭越ながら申せば、初対面で頭の回転のキレとハートの温かさを同時に感じさせてくれた人である。
松元部長はつい最近、ありがたいことに、週刊現代にわたしが書いた文章に対して、きちんと評価し励ますメールをくれている。近いうちにお会いしたいなぁ、と思っていたところである。溌剌と活躍しておられる姿が目に浮かぶ。

座談会の内容も、時間差をつくってもよいからwebで公開して、全国の人に「全国民的議論」のための資料として、読んでもらえるようにできないのだろうか。乞うご一考。それぐらい、価値のある企画だと思うのである。

1.沖縄の民意
2.「辺野古沖」実現可能性と振興策
3.米国の受け止め方
4.5月内決着
5.海兵隊の抑止力
6.日米安保の将来
7.安保の負担偏在

という7つのテーマについて、松元部長が単刀直入に疑問をぶつけ、3人の考えをそれぞれ引き出している。

意外だったのは、岡本氏が、決して「辺野古案強行派」には見えない点。
これはわたしの単なる誤解なのか、岡本氏が、表向きは「沖縄の民意」に同調して、それから根回しに動こうとしているのか、紙面だけでは判然としない。こんど、松元さんから教えてもらおうと思う。

さて、有明コロシアムへ向かおう。

本日こそ、良き一日になりますように。
つまり、鳩山政権の横暴が許されないことが、明白になりますように。





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Posted by watanatsu at 12:12 │時事問題