てぃーだブログ › 渡瀬夏彦の「沖縄 チムワサワサ~ 日記」 › 時事問題 › モンゴルに核処分場建設、日米が計画!! 毎日新聞スクープ。

2011年05月09日

モンゴルに核処分場建設、日米が計画!! 毎日新聞スクープ。

きょうはいつもより早く目覚めた。
昨日は梅雨の晴れ間で、蒸し暑い一日だった。
琉球キングスの試合観戦で宜野湾へ往復する間、そこここでデイゴの紅い花が咲いているのに気付いた。例年よりかなり遅い開花らしい。わが豊見城のいつもの散歩コースの並木道にも、ちらほらとデイゴが咲き始めて、少しホッとしている。デイゴヒメコバチのせいで枯死寸前の木も目立つのだが、どうやら全滅ではなさそうだ。なかには満開の木もあった。

きょうも熱くなりそうだが、未明、開け放った窓からは涼風が吹きこんでくる。
いろんな鳥たちのさえずりがにぎやかである。ホーホケキョの声も聴こえる。
おっ、空が白み始めた。ずいぶんと日が長くなったものである。

目覚めてすぐ、ネットで目につき、愕然とさせられたのが、毎日新聞のこのニュース。
(以下全文引用)



毎日jp 2011年5月9日(月)2時34分配信


核処分場:モンゴルに計画…日米、昨秋から交渉

【ウランバートル会川晴之】経済産業省が昨年秋から米エネルギー省と共同で、使用済み核燃料などの世界初の国際的な貯蔵・処分施設をモンゴルに建設する計画を極秘に進めていることがわかった。処分場を自国内に持たない日米にとって、原子炉と廃棄物処理とをセットに国際的な原子力発電所の売り込みを仕掛けるロシアやフランスに対抗するのが主な狙い。モンゴルは見返りとして日米からの原子力技術支援を受ける。だが、東日本大震災による東京電力福島第1原発事故で日本政府は原子力政策の抜本的な見直しを迫られており、「核のゴミ」を第三国に負わせる手法に批判が出そうだ。
 ◇福島事故受け批判必至
 各国の交渉責任者が毎日新聞の取材に計画の存在を認めた。
 関係者によると、3カ国交渉は昨年9月下旬、ポネマン米エネルギー省副長官が主導して始まり、経産省、モンゴル外務省が担当。核廃棄物の国内処分地選定の見通しが立たない日米と、技術支援で核燃料加工施設や原発を建設したいモンゴルの思惑が一致した。
 原子力エネルギーは気候変動を防ぐ有効策とされ、原子炉1基数千億円のビッグビジネス。日本政府は原発輸出を国家成長戦略の柱に据え、ベトナムで受注に成功、インドやトルコとも交渉中だ。しかし、ロシアなどは原子炉と使用済み核燃料の引き取りをセットで販売しており、日米は不利な状況にある。
 日本は英仏に再処理を委託、青森県六ケ所村に再処理施設建設を急ぐほか、同村に高レベル放射性廃棄物の一時貯蔵施設を保有するものの、他国に供給した核燃料の引き取りは極めて困難。2035年までに国内に最終処分地を選定する計画も難航が予想される。
 米国もブッシュ前政権が02年にネバダ州に最終処分地を選定したが、地元の反対でオバマ政権が09年に計画中止を決定。使用済み核燃料の処分問題が宙に浮いてしまった。
 このため日米は、処分問題の解決と「国際的な原発売り込みの弱点を埋める」(経産省)ため、地盤が強固なモンゴルに貯蔵・処分施設を造ることで一致。施設は地下数百メートルとなる見込みだ。経産省は計画実現で、原子炉メーカーの東芝、日立などの国際的な原子力ビジネスを支援できるとみている。
 また国際原子力機関(IAEA)が、「モンゴルはウラン推定埋蔵量は150万トン以上の可能性がある」と指摘しており、開発が進めば世界トップ3のウラン供給国となる可能性が高い。日米は計画実現でウラン燃料の安定確保も狙う。
 核廃棄物の国際輸送は、通過国や受け入れ国の同意に加え、IAEAなどが定める輸送方法に従えば可能。ただ、3国交渉の段階で計画が表面化すれば、通過国となりうる中国やロシアなどの干渉やモンゴル国民の反発も予想され、交渉は極秘に進められた。
 しかし今年2月、ワシントンで3カ国が包括的な外交文書への署名にこぎつける予定だったが、直前に計画を知らされた日本外務省が「政府内での調整がまったく進んでいない」と反発。経産省主導に外務省が横やりを入れた格好で、署名は延期。その後に大震災が発生し、署名などの日取りは未定だ。
 日本は大震災で原発政策の見直しを迫られているが、国内すべての原発をなくしたとしても、処分施設は必要。ただ、技術支援の見返りに核のゴミを他国に引き受けてもらう手法は、電源3法交付金による地域振興策をセットに福島などで原発の建設を進めたのと同じ発想と言える。

(引用終了)


内部告発者の協力がどの程度あったのかわからないが、この記事はきっとスクープといってよいのだろう。これを書いた会川記者と毎日新聞に「そのスジ」から無用の圧力がかからぬことを祈りたい。

原子力政策、原子力ビジネスの実態は、ここまで恐ろしいことになっていたのだ。日米だけでなく、ロシア、フランスなどの他国も同じ穴のムジナだ。世界の原子力ビジネス、恐ろしい限りである。己の無知に、改めて愕然とする。

外務省と経産省の主導権争いなどどうでもよいが、いずれにしても、この国は狂っている。
「ならず者国家=アメリカ」との軍事同盟至上主義に陥り、「民意」を無視して沖縄を犠牲にしようとする外務省(そして防衛省)も、東芝や日立の原子力ビジネスをバックアップするために米国に付き従ってモンゴルを犠牲にしようとする経産省も、まったく同罪だ。

どちらの官僚も広い意味で「死の商人」に加担して恥じないことに変わりはない。

ああ、憂鬱な一週間の始まりだ。己の無力さを噛みしめつつ、日本人の一人として、このニュースを決して忘れないようにしたい。

そうは言っても、多くの読者の皆さんと同様、きょうの仕事は頑張らんといかん。
謙虚に地道にやるべきことをやる。そういう一日にしたいとは思う。

ただ沖縄に住む者としては、毎日新聞のこの記事の結び方に注目せざるを得ず、最後の文言を次のように少しだけ置き換えてみたくなる。

                  *

電源3法交付金による地域振興策をセットに福島などで原発の建設を進めたのと同じ発想と言える。
↓↓↓
米軍再編交付金による地域振興策をセットに名護市辺野古周辺に新基地建設を進めようとしたのと同じ発想と言える。

                  *

その手法がとんでもない間違いであることは、沖縄でも明白になっている。しかし、中央のメディアにおいては、そのことを指摘する人は稀である。

極秘に進められたというこの計画が、モンゴルの人びとに一人でも多く伝わることを願う。
原発の危険性を、一人でも多く知ってほしいと願う。
忌野清志郎の「ラヴ・ミー・テンダー」の歌詞そのまま、「原発いらねえ、放射能などいらねえ!!」と大きな声をあげてほしいと願う。

本日も、少しでも希望の光が見える一日になりますように。

脱原発=脱基地。
ゆたしくうにげーさびら。





同じカテゴリー(時事問題)の記事

Posted by watanatsu at 05:57 │時事問題