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2012年10月19日

全国の皆さん、今こそ、沖縄のメディアから情報を得てください!!

全国の皆さん、今こそ、沖縄のメディアから情報を得てください!!


米兵2名による沖縄県内の女性に対する強姦致傷事件が明るみに出たのは、10月16日である。当日夜のニュース、翌17日の新聞朝刊などで知った人もおられると思う。ただし某右翼全国紙のように意図的に小さく扱うメディアもあるので要注意である。上の写真は、17日にFacebook上のウォール(タイムライン)に載せた、事件翌日の地元紙2紙の一面である。

物事を考えるには順序というものがある。

最初に声を大にして言っておくが、レイプの被害者には、当然、一切、非はない。
しかもこの国では、強姦罪は親告罪。すなわち自ら声をあげなければ警察が動いてくれない。
このハードルがあること自体、被害者をさらにいじめているに等しい。
このたび、勇気を振りしぼって、「許しません」と声をあげた被害女性を、取り調べの過程や報道による二次被害、三次被害から守ることを、みんなで徹底して意識することが肝要だと思う。そのことを意識してしすぎるということはない。

(追記◇このブログ記事をアップして間もなく、読んでくれた友人が、今回の事件のように2人以上による集団レイプの場合は非親告罪であると指摘してくれました。そのことをわたしも調べて確認できましたので、お詫びして訂正します。しかし、一対一のレイプの場合、なぜあくまで親告罪なのか、やはり理不尽だと思います。また、今回の事件の場合、2人の米兵は犯行当日16日にグアムへ移動する予定だったわけで、もし1人の犯行で、「親告」に時間がかかった場合どうなっていたかを考えるとゾッとします。今回、被害者側が勇気を振りしぼって警察に訴えたことにより、早期の逮捕ができたことになりますが、レイプ犯を厳正に罰するためには、まだまだ制度そのものが不備であることに変わりはありません)

その上で、全国の皆さんに対しては、沖縄の地元紙の報道を通じて、この事件を正確に把握して、この問題をあなたがあなた自身で考えるための基礎資料としてほしいと願う。
琉球新報→http://ryukyushimpo.jp/
沖縄タイムス→http://www.okinawatimes.co.jp/

間違っても、ネトウヨ(ネット右翼)君たちが得意とする「論理性皆無の感情論」(例えば、「米兵の強姦だけが特別多いわけではない」とか「アメリカ兵だって社会貢献もしている」といった印象操作)に惑わされることがないよう、留意されたい。
※残念ながら、この「てぃーだブログ」にも、おぞましいネトウヨ・ブログがたくさんまじっているので、要注意である。

事件から、3日経った。
全国の人たちが、この事件をどれほど正確に把握しているのか、わたしは非常に心配している。
他人事として目を背けている人もじつは多いのではないか。このことにしっかり向き合わずして「沖縄の基地負担を軽減しよう」という掛け声は無意味なのだが、しかし、そのような危惧を覚える。

というのも、わたしは沖縄の基地問題に関して、ほぼ毎日、主にFacebookで発信し情報共有を試みている→https://www.facebook.com/natsuhiko.watase?ref=tn_tnmn#!/natsuhiko.watase のだが、県外のリアルな友人たちの反応が、そういう話題に関して非常に鈍いことに気づいているからだ(ただ、沖縄県内の友人はもちろんのこと、例外的に東京のリアル友人の中にも素早く反応してくれている人たちがいるし、むしろFacebookだけの繋がりの県外の友人のほうが熱心に反応してくれているので、そのことには感謝している)。

そこで、お願いである。
現在の沖縄が置かれている深刻な状況に関心を示すことができないでいる理由はなんなのか。
友人として、ぜひわたしに教えてほしい。友人でなくとも、ご意見があれば送ってほしい(ただし、不勉強極まりないネトウヨ君の口汚いイチャモンはお断りである)。

もしも、考えるための材料(知識・情報)が不足しているのなら、繰り返しになるが、まずは沖縄地元紙のホームページを覗いて、全国メディアが伝えないリアルな情報に接してほしい。ハッ、と気づくことがたくさんあるはずである。

沖縄のメディアから情報を得ることは、国土の0.6パーセントの面積しかない沖縄に、在日米軍専用施設の74パーセントを押し付けている国民としての、義務でさえあると思う。→もしこの表現を読んで気を悪くする友人がいれば、わたしの友人でいてくれる必要はない。

なぜここまで言うのか。ここまで言わなければ、おそらくはピンとこない友人たちもいるはずだからである。
実際、若き日のわたしに、ここまで言ってくれる沖縄人は、なかなかいなかった。そのことが、今も心のどこかに引っかかっている。
当時わたしが知り合った沖縄人たちは、沖縄の現実を理解したいと願うヤマトゥンチュ(いわゆる本土に住む日本人)としてのわたしを、危険や負担を沖縄へ押し付けている「加害者」としてやりこめることはしなかった。ありがたいと思うと同時に、物足りなくも感じた。
もっと強く訴えないと、俺も含めて、ヤマトゥンチュはなにも理解できませんよ、あんたたち優しすぎるよ、と当時の若造は言いたくなったものである。ヤマトに住み続けている者たちには、相当に努力しなければ、沖縄の置かれている状況について理解できないと感じた日々。しかし、今はネット時代である。本当は、沖縄の新聞を全国の人たちが定期購読してほしいところだが、ネットで琉球新報と沖縄タイムスの記事を、すべてではないが無料で読むことのできる時代である。なんと恵まれた時代かと思う。ヤマトに住む人も、リアルタイムで、沖縄で起きている大問題を把握することができるのだから。


さてヤマトの政府の横暴さは、ここに来て、おぞましいほど顕著になっている。
米軍の蛮行を間違いなく、許している。沖縄を、これでもかというほど踏みつけて恥じない。
それがわがニッポン国の政府の姿なのである。

なにも米兵による強姦致傷事件のみを言っているのではない。
オスプレイ(従来型ヘリに替わる垂直離着陸型輸送機)の沖縄への強行配備は、愚挙、暴挙、蛮行というほかないことなのである。

このことに関しても、沖縄のメディアや沖縄の有識者が発信するネット情報、書物から多くを学んでほしいと思うが、ここではわたしも、三つ、四つのポイントぐらいは指摘しておきたい。

一つは、オスプレイが墜落を繰り返す欠陥機であることが明白であるのに、その開発に際してあまりにも莫大な予算と時間を注ぎ込んでしまったために、「配備」そのものを引っ込めることができなくなってしまった、という愚挙。アメリカという国が、
いかに軍産複合体の都合で動いているか。端的に示す象徴的な事例が、オスプレイ配備なのだ。

二つめは、オスプレイ配備は「中国の脅威」の抑止力にもなんにもならないという厳然たる事実。いや、米海兵隊の抑止力が嘘であるという事実は、例えば、沖縄タイムス元論説委員でジャーナリストの屋良朝博氏が、著書や雑誌記事、インターネット(Facebook)での記事で明確に示しているし、沖縄には分析力に優れた有識者が複数いて、地元紙はもちろん折に触れてその見解を紙面に反映させてきている。が、それだけではない。米国の軍隊上がりの連邦議員やシンクタンク研究員や大学教授など、軍事の専門家たちも、再三論文を発表するなどして「海兵隊が沖縄に駐留する必要のないこと」「普天間基地の撤去・返還が可能なこと」を、主張してきている。

三つめは、民意の尊重(民主主義の基本)についてである。
じつは、アメリカ本国では、民間空港や軍基地周辺の住民の反対によって、オスプレイの飛行訓練を中止しているという事実がある。
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2011-01-27_13990
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-06-12_34972

ハワイではオスプレイの飛行が文化遺跡や自然環境に悪影響を与えるという理由で(もちろんこれも住民による反対運動の努力がみのってのことだが)オスプレイの訓練計画を撤回している。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-195663-storytopic-3.html

沖縄タイムス米国特約記者・平安名純代さんの関連報告も、ここに紹介しておく。
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-01_39678

さて、日本では、沖縄では、どうだろう。
四つめのポイントである。
米空軍嘉手納基地や米海兵隊普天間基地の周辺住民の苦情や反対の声は、いまに始まったわけではない。しかし、普天間基地へのオスプレイ配備強行の意思を固めた日米政府に対して、沖縄県民はかつてないほどに超党派で団結した。

オスプレイ配備に断固反対しているのは、某右翼全国紙やネトウヨ君たちがいうように、一部の反対派などではない。
沖縄県知事、沖縄県議会、全市町村長、全市町村議会が反対しているのだ。

これを沖縄の民意といわずして、なんという。「沖縄の総意」以外の何ものでもないのである。
しかし、沖縄には民主主義は適用されないといわんばかりに、日米政府は問答無用の蛮行に及んだのである。

米国は、いまだに沖縄を植民地扱いしている。
米国本土やハワイでは民意を受けて訓練中止するような、危険で問題の多いオスプレイの配備を断行し、そのオスプレイは住宅密集地の上空を我が物顔で飛んでいる。もちろん、日米の安全性確保のための合意さえ、最初から破って平然としているわけである。
あるいは、沖縄本島北部の東村高江の集落付近でも、民家や学校の至近距離で、オスプレイは低空飛行を繰り返している。高江周辺のやんばるの森は、ヤンバルクイナやノグチゲラや、希少な生物の宝庫として知られているが、米国内では自然環境に配慮されて中止になる訓練も、ここではやはり我が物顔で繰り広げられている。

これで怒りを感じないとすれば、その人の心理状態のほうが異常とさえいえるだろう。


そんな状況の中で、米兵2人が起こした強姦致傷事件である。

沖縄を植民地扱いしてよい土地だ。
沖縄はやりたい放題できる島だ。

米兵たちの潜在意識の声が聴こえる。
米軍上層部が、そのような暗黙の教育をしてきたといっても過言ではないだろう。

そして、それを許している日本政府の罪が、くっきりと浮かび上がった事件である。

こんなことがいつまで繰り返されなければならないのか。

まだまだ長くなりそうなので、本日は、このへんでひとまず切り上げよう。
最後に、地元紙2紙の昨日の社説だが、最低限読んでほしいので、URLだけでも張り付けておく。

沖縄タイムス2012年10月18日社説
[2米兵暴行事件]我慢の限界を超えた
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-10-18_40335

琉球新報2012年10月18日社説
米兵集団女性暴行/卑劣極まりない蛮行 安保を根本から見直せ
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-198190-storytopic-11.html

はてさて、あなたはこの現実に、いつまで目を背けますか。




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Posted by watanatsu at 20:28 │時事問題