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2009年10月07日

写真家・平敷兼七さん、ご冥福をお祈りします。

 今朝、石川真生さんのブログを開いたら、悲報が目に飛び込んできました(10月6日の記事)。
 真生さんの写真家仲間でアニキ分の、平敷兼七(へしき・けんしち)さんの死について、書かれていたのです。

 わたしは残念ながら面識はなかったのですが、名前は存じ上げていました。断片的ながら、その作品をどこかで拝見した記憶もあります。しかし恥ずかしながら、作品の全体像も、人物像も、詳しくは知らぬままでした。亡くなってから気になる自分に、やや後ろ暗さを感じつつも、遅すぎることはないはずだ、と言い聞かせてみました。
 そしてネットを調べてすぐに発見できたのは、いくつものブログにあふれた追悼の言葉たち。きっとたくさんの知己から愛されていた人なのだと思った次第です。

 真生さんの言葉を含めて、その一部だけでも紹介しましょう。

「まおの勝手におしゃべり」
http://blog.livedoor.jp/ishikawamao/archives/65282636.html

「平敷兼七の世界」
http://hesiki.ti-da.net/e2821764.html

「横井謙典 沖縄ブログ」
http://urayokoi.ti-da.net/e2818651.html

 そうして先ほど、夕方のウォーキングがてら、ジュンク堂書店那覇店まで行ってきました。

 この書店の素晴らしいところは、品揃えが豊富で目当ての本の見つかる確率が高いところと、立ち読み容認どころか、どうぞゆっくり読んでください、という意味の椅子まで、書棚の横にいくつも置いてあるところ。きょうは、その二つの要素にお世話になって帰ってきました。

 つまり、平敷兼七さんの写真集「山羊の肺 沖縄1968-2005」(影書房・2007年刊。同名の写真展によって、2008年・伊奈信男賞受賞)がすぐに見つかり、じっくりゆっくり、椅子に腰掛けて眺めさせてもらったのであります。しかし、申し訳ないけれど、きょうは本棚にそっと戻してきました。現在金欠病の真っ最中なので、お小遣いに余裕が出たときに購入いたします(貴店オープン以来、結構、書籍・雑誌購入で貢献してきたわけだし、たまには許されるよね、ジュンク堂さん。。。)。

 素晴らしい写真の数々が、その本には詰め込まれていました。
 きっと多くの人が語っているはずですが、そこに収録されているのは、間違いなく平敷さんにしか撮れない作品ばかりなのでした。しかも、作品がこちらに向かって強く迫ってくるのではなく、こちらが、ずずずーっと写真に引き込まれていくような、そういう力をもった作品たちでありました。
 しずかに、そして、はげしく、心を揺さぶられました。
 とくに売春街の女性たちを「職業婦人」たちと称し、親しみ以上の愛情深い眼差しで捉えた作品群には、脱帽でした(もちろん、ほかの人物たちも、素晴らしいですが)。

 写真の魅力を言葉で伝えるのは非常にもどかしいなぁ、と思っていたら、平敷さんの作品と人物についての名解説の載ったサイトを、さっき発見。そこには、写真集に収められた作品の一部も紹介されていますので、ぜひぜひ、ご覧になってみてください。その「BAKU」という名のWEBマガジンはこちらから↓↓
 http://www.geocities.jp/bakuedit/person/shozo/01-heshiki/01-heshiki.html

 平敷兼七。今帰仁村出身。10月3日、肺炎のため逝去。享年61歳。
 一面識もないわたくしめですが、遅ればせながら、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 平敷さん、われわれに、「すごい写真」を残してくれて、ありがとうございます!


 
ところで、台風18号は、ここ10年で最強クラスのようです。明日は本州での被害が心配されています。
 とくに紀伊半島の皆さん、四国・近畿・東海・関東地方の皆さん、くれぐれもご注意ください。
 明日もまた、無事な一日になりますように。



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Posted by watanatsu at 21:45 │哀悼