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2009年07月13日

09夏・高校野球沖縄大会・6

 わたくしめ、「速報」というのはやっぱり苦手のようで、すみません。
 高校野球のブログ記事更新、またしても翌日になってしまいました。でも速報だけなら、いろんなWEBサイトで見られる時代です。当ブログの場合は、わたしなりの独自の「詳報」ですので、どうかご理解ください。

 じつは2日つづけて、汗だくで帰宅してシャワーを浴び、ビール飲みつつメシ食って、ブログを書かぬまま沈没、という同じパターンにはまってしまったのです‥‥。
 ブログを始めるとき、「俳優で人気ブロガー」(!)の友人が「酔っ払って気が大きくなっての更新は避けるように! シラフに戻ってから青くなるので」と言ってくれた、その忠告をちゃんと守ってもいるわけです。
 おかげで昨夜のわたくしめ、ほとんど毎週見ている「Ryuスポ」(RBC琉球放送が誇る日曜深夜のローカル・スポーツ番組)の録画セットさえできぬまま、いつしか深いふかい眠りの海へと落ちていきました。
 余談ですが、昨日記者席で、「Ryuスポ」の宮城すずのキャスターと一緒だっただけに、かなり心残りであります。きのうは普段むさくるしい記者席に、さわやかな華やいだ風が吹き抜けていました。宮城すずのさんのほかにもQAB琉球朝日放送のスポーツ担当キャスター河合麗子さんがいて、そしてふたりとも、マイク片手にしっかり取材をする人なので、わたしも同じ現場にいて、いい刺激を受けました(本日夕方のQAB「ステーションQ」スポーツコーナーも必見だ)。次の「Team47 press」の特集記事も、いい内容にしなくてはいかんぞ、と思ったりしましたです、はい‥‥。

 それから言い訳をひとつ。きのうの朝は、野球場へ出かける直前にあわててブログ更新したもので、誤字脱字が目立ちました。今朝訂正しましたが、昨日のうちに読んでくれたみなさん、大変失礼いたしました。何事も、余裕をもって取り組まないといけませんね。以後、気をつけます。

 さてさて、昨日7月12日(日)、全国高校野球選手権沖縄大会・準々決勝の4試合、無事終わって、早くも沖縄のベスト4が決まったわけなんですね。
 今週土曜日(来週ではなくて今週なんですね)の準決勝に残ったのは興南高校、沖縄水産高校、八重山商工高校、中部商業高校、の4校であります。沖縄県民以外の野球ファンにも、馴染みのある校名のはず。戦国時代の実力校。ここまで来たら、どこが優勝してもおかしくありません。
 今週(来週ではなくて!)の土日に、準決勝と決勝です。たまりませんねー。心理は、遠足待ちきれぬ小学一年生状態です。
 では、例によって、昨日の結果のおさらいです。
 
 得点と勝者は以下のとおり。

《北谷公園野球場》
①浦添工業vs興南→3対0で興南。
②沖縄水産vs本部→2対1で沖縄水産。
《宜野湾市立野球場》
①八重山商工vs那覇商→7対0で八重山商工(8回コールド)
②中部商業vsコザ→7対1で中部商業。

 つづいて取材リポートです。
 
                     *

 宜野湾の2試合をしかと見届けてきた。
 まず第一試合。八重山商工・先発の花城直将の「打たせて取る」好投が印象に残った。
 試合後の本人の言葉。
「0点で抑えるというのは、難しいことなので、それができてよかったと思います。きようは、長打を打たれないように気をつけました。でも、課題はあります。やっぱりまだ球が高めに浮いているので、そこを修正しないといけません」
 この前ノーヒットノーランを達成したばかりの投手とは思えないほど、謙虚で冷静な姿勢。高ぶり、驕る心配は、まるでなさそうである。
 今大会の八重山商工にとって、花城君の安定感は、非常に心強い。

 いつも選手に対して辛口の伊志嶺吉盛監督も珍しく、この日の花城君に対しては高い評価を与えていた。
「花城が頑張っていると思います。決してよくない出来のなかで、それなりに頑張っている。しかしチーム全体を見ると、まだまだミスが多い。前半あまりにもたついてましたからね。例えば、来るとわかっている球種なのに打てない。ひとりでエラーをしているやつもいる。我慢して4番でショートを任せているのに、ノミの心臓だから困る。それから1番の大嶺。(きょうは3安打でしたが、と水を向けても)大事なところで打てなければ駄目ですよ(4回表、2アウト1-3塁のチャンスにサードゴロに打ち取られた場面を指す)。そのために(打席機会の多い)1番に置いているんだから」
 わたしは、控え選手をいつでも起用できる強みについて、水を向けた。
 まず、控え投手の宮城兄利康を8回に登板させたこと。宮城は期待に応えて那覇商を三者凡退に打ち取り、コールド勝ちを成立させた。
「彼は、この大会全然なげてなかったからねー」
 というひと言。監督は、相手チームに失礼のないように「余裕があったから、試合のマウンドを経験させた」という言葉を、あえて飲み込んでいるように見えた。
 宮城のみならず、3年生のベンチメンバーで、今大会まだ出場機会のなかった選手が、きょうはそれぞれ代打と守備で起用された。
 まずは、新チームになってから、2年生捕手の田中貴也にマスクを譲り、ブルペン捕手を務めてきている前原健人が、7回3点を奪ったあと、代打で登場。思い切りのよいスイングで、見事、レフト前にクリーンヒットを放った。
 そして、いつも3塁ベースコーチとして重要な役割を果たしている真謝祐太朗が、8回裏、サードの守備につき、本大会に選手として、足跡を残すことができた。
 打球こそ飛んでこなかったが、ボール回しで声を張り上げ、生き生きと動いていた。
 監督いわく、「彼らも3年生として、やるべきことをやってきているメンバーなのでね。出られる場面があって、よかったです」
 那覇商には悪いけれども、やはり最後は伊志嶺監督の側に圧倒的にゆとりが生まれた、と認めるべきであろう。

 わたしとしては決して多いことではないのだが、敗者である那覇商業・平良隆訓監督にもコメントを求めた。
「自分たちの野球ができなかったかな、と思います。わたしも送りバントさせるべきところ、ちゃんとできなかったなどの反省点があります。伊志嶺監督には、脱帽です。いろんな策を繰り出してきて、さすが、でした」
 そこへ、伊志嶺監督が挨拶に現れた。互いに労をねぎらってから、平良監督がちょっぴり悔しそうに呟いた。
「6回のウチのいい当たりを取られたのが痛かったですね。ライトの選手(天願陽介)がいいとこに守ってましたねー」
 2対0で迎えた6回裏、2アウト2-3塁の、追い上げのための絶好のチャンス。那覇商の3番大城潤の打球が好捕されて、無得点で終わった場面のことだ。
「あれは大きかった。たしかにいいとこに居たよ。(試合の流れは)あれで決まったようなもんだね」
 と伊志嶺監督も答えていたが、本当に、次の7回は、一気に八重山商工へ流れが傾いたのである。平良監督が別れ際にエールを送った。
「次は、興南ですか。がんばって下さい」
「そうだね、1点ぐらい取れるかなー、わっはっは」
 この謙遜のジョークは、伊志嶺監督が、好投手を擁する強豪チームに対して、間違いなく闘志を燃やしている証といってよい(笑)。
 本当に、今週土曜日の試合が楽しみである。


 第二試合。わたしは、沖縄尚学、宮古、八重山と、実力校を次々に倒してきたコザの強さが、いったいどのへんにあるのか、注目した(本大会、非常に気になりながら、ここまでコザの試合を観ることができなかった)。

 しかし、結論から言えば、攻撃において、あまりにも淡白な策がつづき、自らチャンスを潰した、という印象が残ってしまった。
 主導権はあなたにあげます、と言われたかたちの中部商業が、勢いに乗るのは時間の問題だった。終わってみれば、7対1と点差が開き、中部商の貫録勝ち。

 だが、盛根一美監督は、試合後も気を引きしめていた。
「根間君は、我慢してよく踏ん張り、丁寧に投げてくれました。きょう(の勝因)は、あくまでも彼の踏ん張り、ですね。(暴投振り逃げで)1点とられたのは、もったいない失点でした。根間君にも、ナイスピッチングと伝えたうえで、これからはフォアボールやミスは駄目だぞ、と伝えました。野手もエラーがありましたし、3番4番バッターにも、相手の投手を早めに叩いてほしいと思いますね。勝負に対して、もっと気迫を持たないといけません。次の試合、もっと必死になってやりたいと思います」
 好投の根間孝太投手の弁。
「最初は投げ急いでいた感じだったんですが、それも6回ぐらいから直って、よくなっていきました。自分では70点ぐらいの出来だと思います。(次も好投手同士の投げ合いになることに関して)気合だけは負けないようにしたいと思います。技術よりも、いつも気持ちだけは負けないようにしているつもりです。次は、打たせて取るピッチングを心がけたいです」

 昨日お会いできなかった、興南・我喜屋優監督、沖縄水産・宜保政則監督も含めて、各チームの指導者は、強豪同士の大事な試合では、ひとつのミスが命とりになると意識しているはずである。
 おそらくは、最後まで平常心で、持てる力を出し切れるチームが、甲子園への切符をつかむことになる。

 そして、この激戦区・沖縄を勝ち抜いたチームは、やはり甲子園でも堂々たる戦いができるはずである。

                     *

 ああ、本当に週末が待ち遠しい。

 準決勝は、北谷公園野球場で、7月18日(土)10時プレーボール。
第一試合、八重山商工vs興南。
第二試合、中部商業vs沖縄水産。

 翌日の日曜日には、決勝戦が行われます。
 今週は、まさにチムワサワサ~しつつ仕事することになります。


 ところで、東京都議選の結果、予測どおり(または予想以上?)の結果になりました。
 どうやらわたしたちは今、時代の変わり目に生きているようです。
 基地問題はじめ、沖縄に対する中央側の「アメとムチ」政策も、きちんと見直される時代が到来するのかもしれません。

 ゴルフの全米女子オープンでは、宮里藍選手、頑張りましたね。日を追うごとに調子をあげて、なんと終わってみたら6位タイ。さすがでした。メンタル面の安定感も、テレビ映像を通じて、しっかり伝わってきましたね。
 宮里美香選手は、カットラインギリギリで予選通過してましたね。そして4日間、難コースの中で奮闘したことは、必ずや彼女自身の肥やしとなることでしょう。まだプロデビュー1年目(しかも日本を飛び越えて、いきなりのアメリカデビューの1年目)の19歳、今後にますます期待しましょう。

 では、きょうも良き一日になりますように!



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Posted by watanatsu at 11:44 │高校野球
この記事へのコメント
都議選で世田谷の桜上水のパン屋、行革110番の
後藤さんが落選してしまいました。
Posted by トヨマ at 2009年07月13日 13:01
トヨマさん
読んでくれてたとは知りませんでした。
どうもありがとう。
不勉強なわたしとしては、思わず
ネット検索して調べてましいましたが、
この落選してしまった都議、「後藤雄一さん」に対する評価が
いったいどれぐらいのものだったのか、
あまりわからず仕舞いでした。
ただ、トヨマさんの謎かけの意味は、
少しわかるような気がしました。
「ムード」で民主党になだれ現象が起きるだけなら、
これはよろしくないんじゃないか、という意味でしょう?
それじゃあ、郵政解散で小泉自民党が圧勝したときと、
似たようなもんじゃないか。。。と。
複眼的思考を促そうとするコメント、大歓迎です。
わたしもあらゆるファシズムが嫌いなので。。。
ちょっと深読みしてみた、わたくしめでした。
これからもよろしく!
Posted by natsuhiko watasenatsuhiko watase at 2009年07月13日 20:56
いつも渡瀬さんの詳報は楽しみにしています!
本当に沖縄の甲子園への切符は、ベスト8から どこが取ってもおかしくないレベルで いかに沖縄を勝ち抜くのが難しいかを感じますね!
ヘタしたら本番の甲子園よりも見応えのある試合続きで、今週末も非常に楽しみです♪(BBQやっているんですけどね(笑))
今年はやはり投手力が目立ちますね、打線では唯一「中部商」が抜けている感じがしますけど、やはり最後は自分達の野球に持ち込んだ所勝ちですよね!
いや~こんなに面白い予選がある沖縄で幸せです!
もう 県選抜で!・・・って思ってしまう今日この頃・・
(┳◇┳)

ちなみに・・本当に凄いのは そんな強豪高が多い=素晴らしい指導者が多い沖縄って・・・
( ̄○ ̄;)
Posted by 焼鳥大将 at 2009年07月14日 02:39
郵政解散のときはとにかく小泉自民党、
今回は、とにかく政権交代。
渡瀬さん分析のとおりです。

民主の風が吹きやすい世田谷のようなところは、
ひとり会派、オンブズマンなんてふっとばされて
しまいました。でも都知事はじめ都職員は、
彼の落選には心底ホッとしてると思いますよ。

予選は本当に面白いですよね。
今後もブログ楽しみにしています。
Posted by トヨマ at 2009年07月14日 11:52
皆さん、お忙しい中コメントありがとうございます。


焼鳥大将さん

栽監督がご健在のころは、沖縄水産が「県選抜」チームの
性格を帯びていたかもしれませんね。ご指摘のとおり、
今、複数の学校に素晴らしい指導者がいるがゆえの「戦国時代」。
一校に有望な選手が集中していないのは、むしろ健全だと思います。
わたしなんか、この状態、充分楽しませてもらってます。
ところで、わたし、こう思うんです。
ほんとに沖縄が凄いのは、焼鳥大将さんのように、
野球にやたらと詳しくて、気持ちの熱いファンが多い!
ところではないかしらん? と。
7月19日のBBQはお店にとっての重要なイベントとお察しします。
決勝戦のテレビ中継、ぜひ録画セットしてお出かけください(笑)。


トヨマさん

わかりやすい説明をありがとうございました。
やはり世田谷の後藤さんは、都知事や都庁職員のお目付け役
として、オンブズマンとして、貴重な役割を果たしていたわけですね。
そういう人が「政権交代」の風に吹き飛ばされてしまう、って
これはやはり皮肉としか言いようがありませんね。
こうなったらいっそ、トヨマさんが、都議選に出るとか。。。(?)
いずれにしても、これからもご意見よろしく、でございます。
Posted by natsuhiko watasenatsuhiko watase at 2009年07月14日 17:45