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2014年05月15日

毎日新聞・西部本社版「オキナワ 2014.5」シリーズ5回連載。第3回=ももココロさん(漫画家)。


第3回は、琉球新報で4コマ漫画を担当し続けている、ももココロさんである。

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オキナワ2014.5◇第3回
漫画家・ももココロさん 4コマに平和込め

毎日新聞 2014年05月06日 西部朝刊

 ◇「命」真ん中に描く
 中学生の「チブル」が手紙で問いかける。
 <拝啓、日本のみなさん、みなさんが見上げる空は…… 青いですか? 拝啓、日本のみなさん、みなさんが見上げる空は…… 平和ですか?>
 2012年7月2日、沖縄の地元紙・琉球新報に掲載された4コマ漫画「がじゅまるファミリー」。作者はももココロ=本名・桃原毅(とうばるつよし)=さん(46)。
 この2日前の6月30日、米軍輸送機オスプレイの沖縄配備を説明するため防衛相が沖縄に来ていた。1959年、うるま市(旧石川市)の宮森小学校に米軍機が墜落し児童ら17人が犠牲になって丸53年の日でもあった。そんな日に新たな米軍機配備を伝えに来た政府の姿勢に、沖縄では怒りが渦巻いていた。
 「『なんでこんな日に説明に来るのか』というウチナーンチュ(沖縄の人)の思い。国の対応に疑問を投げ掛ける作品として描いた」。声高ではなく、優しいタッチの漫画に「沖縄の心を伝えたい」との思いを込めた。
 琉球新報で4コマ漫画の連載をスタートさせたのは04年。新人漫画家に担当者は一つだけ注文を付けた。「6月は皆が思いを巡らせることができるような作品を考えてくださいね」。住民を巻き込んだ凄惨(せいさん)な沖縄戦の組織的戦闘が終結したのが45年6月23日。沖縄にとって6月は「慰霊の月」だ。
 戦後生まれで沖縄戦をあまり知らなかった。調べれば調べるほど「4コマ漫画で表現するのは無理だ」と思った。締め切りが近づく中、ウチナーグチ(沖縄の言葉)の本にあった言葉「命(ぬち)どぅ宝」(命こそ宝)が飛び込んできた。「これだ」。泣きながら仕上げた。
 「基地の問題は利害も絡んでいて、賛成する人もいれば反対する人もいるので難しい。でも『命』を基本に考えれば、そこから前に進むチャンスがある。だからどんなに難しい問題でも『命』を真ん中に置いて描くようにしています」
 沖縄の民意を無視するように、オスプレイは沖縄の空を飛び、政府は米軍普天間飛行場(宜野湾市)を名護市辺野古に移設しようとする。それでも、多くの沖縄の人たちと同じように「がじゅまるファミリー」の登場人物は、時に底抜けに明るい。
 「沖縄の人たちのやることなすことが4コマ漫画のよう。そんな暮らしの中にこそ、沖縄の『チムグクル(真心)』がある。ウチナー漫画家としてこれからも沖縄に寄り添って描いていきたい」【佐藤敬一】=つづく


◇渡瀬の感想◇

過酷な状況に置かれてもポジティブなパワーを失わないウチナーンチュのたくましさを、ももココロさん自身が信じているのだということが、しっかり伝わってきて、勇気づけられた記事である。

この連載の第3回を書いたのは、4月から那覇支局長を務めている佐藤敬一記者。
西部報道部時代から沖縄に通って取材を続けている人だ。縁あって、先月ある場所で名刺交換をさせていただくことになった。
聞けば、以前、佐藤記者の書いた「記者の目」という毎日新聞のコラムを、当ブログで紹介したことがあったようだ。
ブログ内で検索してみたら、それは2012年9月、県民がオスプレイの強行配備に「オール沖縄」で結束して反対していた時期のことだった。
http://watanatsu.ti-da.net/e4082343.html
だが、その「記者の目」は残念ながらWebでの閲覧期限は切れてしまっているようだ。

それはともかく、安倍暴走政権の応援団としての産経や読売による、沖縄に基地負担を押し付けて恥じない露骨な「辺野古新基地推進」キャンペーンが目立つ現在、毎日新聞那覇支局には、ネトウヨ君たちの口汚い野次にひるむことなく、今後も頑張っていただきたい。そう心から願っている。


もうひとつ付け加えると、本日5月15日付で、佐藤記者は次の記事も書いている。
↓↓↓
<沖縄>復帰、15日で42年 沖縄と本土の溝は深く
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140515-00000005-mai-pol

ますます頑張れ~っ、である。



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Posted by watanatsu at 19:42 │人物論時事問題