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2009年10月18日

琉球キングス、不完全燃焼。そして、新月の夜。

 沖縄にも、間違いなく秋は訪れていて、陽射しはやわらかくなり、風はさわやかに吹き抜けている。
 
 だが、きのうきょう、不思議な感覚のまま生きている。
 妙な表現ではあろうが、自身の「気」の在り処が掴みにくい、、、そんな感覚と言えば、少しわかってもらえるだろうか。
 
 原因は、思い当たるところあり。
 今夜は、新月なのだよねー。
 であるからして、じつは大いに納得できる、この気分、なのである。

 数ヵ月前のブログ開設時からちょくちょく書いてきたことだけれども、わたしはどうも、月の満ち欠けに大いに影響を受けつつ生きている。ウチナーンチュの知人には、そういう人が多い気がする、と書いた記憶もある。
 十三夜あたりから満月のころには、ほんとにチムワサワサ~状態が激しくなる。
 つまり、月と一緒にこちらの「気」も満ちてしまうのだよなぁ。
 これを、わが内なる「動物の魂」が騒いでいる状態、と呼んだりしてきた。
 そんなわたしだから、新月の夜に、わが身とわが心が妖しく不思議な感覚に包まれているとしても、これはこれで、とても頷けることなのである。

 昨日は、ミュージシャンの加藤和彦さんが自ら命を絶ったというニュースに、大きな衝撃を受けた。わたしにとっても「思い出の曲」を、たくさん作ってくれた人だった。
 このところ「うつ」の病と闘いつつ周囲に「やりたいことはもうない。死にたい」と告げていたという加藤さんにとって、新月が近づき、秋風の吹く夜に、やはり心がより一層敏感になってしまったのではないか、と思わず想像させていただいた……。
 ご冥福をお祈りいたします。

 これまでじつは、身近に何人もの「自殺者」(この国では、昨年まで11年連続で年間3万人以上が自死の道を選んでしまっている。今年も……)を抱えてきたわたしである。その多くは、「うつ」の状態のまま、あちら側へ旅立ってしまう、ということも痛いほど学習してきている。

 ああ、連想ゲームは途方もなく脱線しそうなので、閑話休題。


 前置きが非常に長くなったのだが、ともかく新月の日に、わが琉球ゴールデンキングスの戦いを、那覇市民体育館で見届けてきた。

 結論から述べれば、キングスは、不思議な負け方をしたのである。
 スコアは、次のとおり。

「琉球キングス68 vs 76滋賀レイクスターズ」

 昨日105点も取ったチームが、同じ相手に68点。。。
 しかし3Qまでは、55対45と10点もリードしていた。
 単純計算すればわかることだが、最終4Qの10分間で、キングスが13得点しかできなかったのに対し、レイクスターズは、なんと31点も加点したわけである。
 そのうち、13点がボビー・ナッシュ、11点が城宝匡史の得点である。この二人には、肝心なところで、3点シュートもそれぞれ、3本、2本と決められている。
 対して、キングスのシュートは、精度が落ちていた。

 ゲーム・スタッツ(記録)を見ると、この日のキングスは、ターンオーバー(攻撃中のミスでボールを奪われること)が14と多すぎた。それがそのまま、相手得点に結びつくことも多かった。対する滋賀のターンオーバーは、わずか4。この差は大きい。
 4Qの前半など、シュートミスから逆襲されて失点するということを、3回連続して繰り返してしまい、11点の貯金を2点に減らしてしまったのも痛かった。
 これでは勝たせてもらえない。いくらわたしがバスケ・シロウトでも、すぐにわかってしまう理屈である。
 当然、流れは相手に行く。
 このあたりの滋賀の、追撃、逆転、突き放しを成り立たせたのは、先に述べたナッシュと城宝の3点シュートの5連発。敵ながら、素晴らしいシュートだった。肝心なところで決め続けた相手を褒めるしかない、と思った。

 試合後のキングスのミーティングでは、「気持ち」の足りなさを反省することができたようである。
 桶谷大ヘッドコーチは、記者会見で、終始厳しく引き締まった表情のままこう語った。
「きょう、うちの選手は、60パーセントぐらいの力しか出さないまま終わってしまった。なぜそのミスが起きるのか。なぜ相手につけこまれるスキができるのか。それは、60パーセントぐらいの力しか出してないからです。こんな試合、僕も見たくないし、お客さんも見たくないでしょう。細かい部分を修正する前に、〝心技体〟の〝心〟を、しっかり持っていないといけません。(開幕4戦の)ホームで二つも負けてしまったことで、目覚めて、謙虚にやっていかないといかんな、と思いました。この段階で(早い時期に)、課題がはっきりしたのは、良かったと思います」
 選手たちの表情も、きょうはさすがに冴えなかった。
 でも賢明な選手諸君のこと、悪い「気」を、ズルズル引きずることもないでしょう。というか、きょうも素晴らしいプレーは、随所に見せてくれたのだし、落ち込む必要はないのである。

 こんな日も、ある。
 今夜は、新月。
 また満ちる時も来る。
 


 そういえば、12年前にわたしが取材で何ヵ月も世話になった人たちの住む、名護市の東海岸・瀬嵩の浜(大浦湾を挟んで、キャンプ・シュワブの対岸の浜だ)では、今夜いろんなミュージシャンとシマの人が一緒になって「満月まつり」が繰り広げられているはず!  
 台風で延期になって、なぜか「新月の夜の満月まつり」になってしまったらしい。わたしは行けませんでしたが、皆さん、大いに楽しんで、平和への思いを新たにしてください。わたしも、那覇の空の下から、心を重ねさせていただきます。 また、そちらにお邪魔する日も近い気がします。そのときは、改めてよろしくお願いいたします。
 
 ああ、月の力学に左右されつつ、ちょっぴり感傷的になった秋の夜長ではありました。
 
 皆さん本日もお疲れさまでした。
 明日もまた、良き一日になりますように。



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Posted by watanatsu at 21:45 │スポーツ