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2010年11月06日

「琉球キングスin福岡」2。極私的詳報。


2010年10月29日、金曜日、福岡市民体育館。ライジング福岡vs琉球ゴールデンキングス。2戦目。。。。の話。

すなわち、さっきの続きです(笑)。

琉球キングスは、後半(第3Q)が始まってからも、ポンポンと得点を重ねた。
マクヘンリーが自らゴール下へ切り込み、ディフェンスをまったく寄せつけず、豪快なダンク。福岡に3ポイントを入れられると、ディクソン、小菅が連続して3ポイントを入れ返して、開始2分ほどで、60対46と14点もリードしていた。

しかし3Q終了時には、9点差まで詰め寄られて、78対69。福岡が得点力の高いチームであることを、痛感させられた。

4Q終盤にきて、福岡はじわりじわりと追い上げてきた。
最後の数十秒間は、ファウルゲーム(キングスボールで開始された瞬間、ファウルで時計を止め、そこでキングスに与えられるフリースローが外れることに望みを託す戦術)に入り、残り10秒では、なんと96対95と1点差まで、追い上げられてしまった。

わたしのノートには、インテンションが感じられるとかディフェンスがいいとか、「余裕の感想メモ」は見当たらなくなっている。どう転ぶかわからない試合。スリリングといえばスリリングだが、からだに悪い。

そしてそして、最後の最後で、この日のチームの勝利を決定づけたのは、金城茂之だった。

96対95の場面(残り8秒4)で、相手のテクニカルファウルでまず1ショット成功し、97対95。次のファウルで時計が止まって、残り7秒2。

ここでも「1&1スロー」(フリースローの1本目を決めると、2本目のフリースローが与えられるルール。そのクウォーターのチームファウルが5つを超えると適用される)を、2本しっかりかり決めて、99対95。これで、仮に相手の攻撃で3ポイントを決められても、逃げ切ることのできる安全圏に到達した。

そうして、試合は終わった。

金城はなんと、ラスト36秒の間に、フリースローを7本連続で決めた格好だった(それは金城がボールを持ったときに、相手がすぐにファウルしてきたことも意味する)。

昨シーズンのほとんどの期間をケガで棒に振り、今シーズンの開幕5戦目まで、「完全復活」とは言えない調子が続いた金城が、本当に頼もしい仕事をしてくれた。アスリートにとって、結果こそは良薬である。その意味で、コートに明るい光が射した試合だった。

金城が決めるたび、キングスのベンチサイドから、「グッジョブ!!」というデッカイ声が飛んでいたのも頷けた(ちなみに、それは「むーさん」こと伊佐勉アシスタントコーチの声のようだったが、違っていたらごめんなさい。「むーさん」という人、アウェイの試合で、ブースターの役目までやってしまえる熱き男であることは間違いなさそうなので。。。笑)。

一方、けさのブログでもご紹介した「Kings Hysteria」ブログhttp://kings.ti-da.net/では、ジェフ・ニュートンの完全復活こそが待たれる、という意味のことが書かれていた気がするが、わたしも同感である。

この日の1Q、ニュートンの2ポイントシュートが、相手のビッグマン(誰かは失念)に楽々ブロックされるシーンは、なんだか妙に印象に残ってしまった。今のニュートンに、相手はまだ怖さを感じていないはず、と思ったものだ。まぁ、前日、急性胃腸炎で出場すらしていなかったのだから、無理もないか。

つまりは、今シーズン、ようやく全員がコートに揃って戦えたのが、この試合だったわけである。

桶谷HCがやりたいと言っていた「高さのサイズが足りなくなった分、平面の動きの多い、ディフェンスからゴールへ一気に向かう速いバスケ」のシーンは、たくさん見せてもらえた。

またしかし、この日は福岡のターンオーバー(攻撃中に相手にボールを奪われること)、シュートミスに助けられたところもある。

昨シーズンからメンバーが、がらりと入れ替わった新チーム。
選手同士のコート上のコミュニケーションは、まだまだ万全とは言えないのではなかろうか。それが、わたしが前日まで抱えていた素朴な疑問だった。

この日の試合内容で、それもだいぶよくなってきた、といえるのではなかろうか。

前夜の敗北のあと、わたしの素朴な疑問に対して、与那嶺翼は、こう語ってくれたものである。

「そうですね。開幕4試合は、コミュニケーションが足りなかったかな、と思っていました。コミュニケーションは、ようやくフィットしてきたと思います。(負けはしたが)それぞれの長所を生かせて、チームケミストリー(直訳すると、チームの化学作用、ですな)がよくなってきてます。負けたけど、やるべきことはできてきたと思います。あした、修正していきたいです。今は、王座奪還のための試練の時だと思っています」

いつでも前向きな、頼もしいキャプテン翼である。巻き返しを誓う、その表情は明るかった。

この日の勝利のあとで、わたしは同様のこと(新チームのコミュニケーションについて)を、アンソニー・マクヘンリーに訊ねた。
すると、マック先生は、いつもの理知的な眼差しで、まっすぐにこちらの目を見据えつつ答えてくれた。

「きょうの試合は、まさに、そのコミュニケーションをとる絶好のチャンスだったと思います。それがかなりできました。これからも新しい選手と、いいかたちのコミュニケーションを続けていきたいと思います」

マクヘンリーは、その直前、琉球新報・普久原裕南記者の質問に、こう答えていたものだった(ふだんはこういう書き方はしませんが、今回は特別です。敵地福岡ですからね、キングス選手へのインタビューは、普久原記者が指名した選手のみなのでした。そして、翌日の新聞のニュース記事を書くわけではないわたしも、便乗させてもらったというわけです。このように、普久原記者には、いつもいつも、様々な現場で格段の配慮をしてもらっています。改めて、にふぇーでーびる)。

「今シーズンの課題は、自分たちの健康面です。それが勝利に繋がると思っています。(ケガや体調不良で)一人欠けた、二人欠けた、だから駄目だ、ではなくて、みんなが揃ったら(相手チームからみれば)簡単に倒せるチームではない、タフなチームだ、と思われるようにすべきですね」

ニュートンの体調のことも、さりげなく反省材料だと言っているわけですな。

続いてこの夜インタビューできたのは、金城茂之だった。

「やっとチームに貢献できたので嬉しいです。でも、まだ自分の力を出せていないのかなぁ、と思います。練習では結構出せていても、試合になると力を発揮できていない。ここまでチームに迷惑かけてきているので、(精神的に)きついですね」

わたしはあえて、こういう言葉をぶつけさせてもらった。
――長いブランクがあったんだから、見てるほうとしては、そう簡単には『試合勘』みたいなものは戻らないんだろうな、と思っていましたよ。

金城は、こんな言葉を返してくれた。
「僕は、試合に戻ったら、すぐ活躍できると思ってたんです。心の弱さが出てると思います」
――メンタル面の問題ですか?
「うまくいかないと、自分の中にストレスがたまってしまって、結構、自分的には、どん底でしたね。コートで冷静さを保てないこともありました。具体的な反省としては、内と外のシュートの割合でいえば、外のほうが多くなってしまっていましたね。でも6試合目で、少しでもチームの力になれたんで、よかったです。いちばん欲しいのは、自信でしたから」

なるほど、そうだったのか。ぜひ、ここで、開き直ってほしいものである。
インタビューでは、いつでもクールに受け答えをするのが彼の特徴だが、この夜は、「心の弱さ」という言葉まで使って、ストレートに心情を吐露してくれた。

わたしは蛇足と知りつつ、こう付け加えていた。
――あなたが、また自信満々でシュートを打つ姿をこそ、キングスのファンは待ってると思いますよ。じゃあまた、沖縄で!!

金城茂之は、ちょっぴりはにかんだ笑顔を返してくれた。


さぁ、今宵のキングスが、とっても楽しみである。
今抱えている目の前の仕事の進捗によっては、あすの試合、bjtv観戦になるかもしれない。
その分まで、きょうしっかり、みんたまぁ全開で見届けてこよう。

沖縄市体育館(沖縄南インター出てすぐの運動公園内)、19時試合開始。
では皆さん、現地でお会いしましょう。

ちばりよー、キングス!!




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Posted by watanatsu at 17:07 │スポーツ