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2009年11月19日

読売新聞の影響力の恐ろしさ。沖縄タイムス&琉球新報がんばれ。

 外務大臣や防衛大臣の様子を見ていると、ああ、自民党政権となんにも変わってないじゃないか、と、あきれ果ててしまう。
 どこが政治主導なのか。ここまで外務・防衛官僚の言いなりになるとは……。

 総選挙前から、民主党幹部がこぞって沖縄県民に約束してきた普天間基地の「県外・国外移設」への道を、簡単に諦めるかのような発言が相次いでいる。

 北澤防衛相は、最初から防衛官僚の言いなりだったから論外だが、岡田外相の一連の発言も、もはや事実上の「約束不履行」表明を、なんとかそう言われないようにするにはどうしたらよいか、必死で責任逃れの道をさがしているようにしか見えない。ほんとにほんとに、なさけなーい状態だ。

 まぁ、鳩山政権の混乱迷走ぶりに、いちいち一喜一憂しないと決めてはいるものの、許せない報道に気づいたときは、きちんと書き留めておこうと思う。

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 きょうの読売新聞が、その典型であります。
 この日本一の発行部数を誇る大新聞、電子版でも、ちょこちょこちょこちょこ、官僚の思惑通りの記事を積み重ねていきますね。
 この記事をすんなり受け入れてしまう人が、全国でいったいどれだけの人数にのぼるのか、想像するだけで恐ろしくなります。
 ↓↓
【普天間移設「私を信じて」…日米首脳会談で首相】読売新聞11月19日3時13分
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091119-OYT1T00024.htm

 日本が結論を早く出さないと日米関係がおかしくなるぞ、と言わんばかりのいつもの論調。

 読売の本音は常に、つべこべ言わず早く現行計画で進めろ、という旧政権を支えてきた官僚の考え(=米軍の考え)とまったく同じです。
 冗談じゃありませんです、読売さん。今こそ合意を見直し、新たな道を探るべき時なんです。
 そのために、アメリカと向き合うべきなんです。

 同じ首相発言を、沖縄の地元紙はこう伝えます。
 ↓↓
【首相「信頼して」と伝達 普天間移設でオバマ氏に】沖縄タイムス
 http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-11-19-K_004.html?PSID=2d55f55d600829a615ef593d508f767a

 首相発言の抽象性が、米側に誤まったメッセージとして伝わることをむしろ懸念しています。

 また、本日未明、読売新聞電子版は、防衛官僚のお望みどおりの記事を配信しました。
 ↓↓
【グアム移転前倒し…防衛省が「普天間」推進へ修正案】11月19日3時16分
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091119-OYT1T00105.htm

 防衛官僚だって沖縄の負担軽減を考えて事を進めてますよ、鳩山首相が現行計画さえを認めれば、いろんな微調整をして普天間移設が進展しますよ、アメリカの機嫌もよくなりますよ、という、早い話が防衛官僚の思惑垂れ流し。

 朝日新聞も午後になって、ほぼ同様の記事を電子版で配信。
 ↓↓
【沖縄の負担軽減盛り込んだ修正案 防衛省が官邸に提示】11月19日13時20分
 http://www.asahi.com/politics/update/1119/TKY200911190248.html

 読売と違うのは、そこに沖縄の民意をまるめ込もうとする官僚の狙いがあるのだと、それとなく示している点。


 そもそも、小手先の微修正で、賢明なる沖縄県民がだまされると思ったら、大間違いなんですけどね。
 
 その程度の微修正は、「アメリカ追従・沖縄切捨て」の立場を、より一層鮮明にしているだけのこと。
 こんな「ごまかし案」を万が一、鳩山首相が認めたら、その瞬間から、沖縄でどんな抵抗運動が始まるか。少し想像力を働かせてみたほうがよろしいかと思います。えーと、官僚様、大手新聞記者様。。。

「沖縄の民意」を、なぜそんなにも無視したがるのでしょうか。
 えっ、永田町と霞が関の声しか聞いたことない? えっ、もしかして単なる勉強不足?
 そうとでも思わなければ、理解のしようがありません。
 
 いつでも「アメリカ側の苛立ち」にはとても敏感で、「恫喝」には素早く従順に反応しようとする、その精神構造について、、、もしかしてわれわれに病理学的な研究までさせようとしているんじゃないでしょうねー。

 というわけで、以前も書いたことですが、県外の読者の皆さんには、「沖縄の民意」が表れた、地元新聞2紙の社説をぜひ、しっかり読んでいただきたい。真っ当な記事ですので、ぜひよろしくお願いします。
 ↓↓↓
 琉球新報11月18日付社説
【ひるむ鳩山政権 狭い道はこじ開けてこそ】】
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-152994-storytopic-11.html

 沖縄タイムス11月19日付社説
【普天間検証作業】沖縄で「公聴会」を開け
 http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-11-19-M_1-005-1_001.html

 こんな事実もぜひ、知っておいてほしいですね。
 ↓↓↓
 琉球新報11月19日付
【高嶺議長、全国へ便り発送 「普天間」問題で理解求め】
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-153032-storytopic-53.html

 
 ところで、来年1月の名護市長選挙ですが、すでに立候補を予定している「辺野古新基地建設現行計画を市民の同意を得ることなく容認してしまった現市長」島袋吉和氏(自民・公明推薦)に対して、新基地建設反対派は、ようやく対抗馬の一本化に成功しました(18日)。立候補予定者である名護市の前教育長・稲嶺進氏のもとに総力を結集することになったのです(民主・社民・国民新・共産・社会大衆・そうぞう各党の推薦または支持。一部保守系市議も支持)。
 
 そうして「一騎打ち」となれば、わたしの予想では(早すぎるでしょうか)、現市長が敗れ去るだろうと思います。

 しかし、油断は禁物です。「反対派が圧勝する」ぐらいでないと、政府はそれを「沖縄の民意」と認めないかもしれません。
 
 なんだかんだ言いながら、小さな地方都市の有権者に踏み絵を踏ませようとする政府の態度には、まったく腹が立つけれども、やはり政府が結論を出す前に名護市長選の結果が出る、という可能性も十分考えられるわけなので、ここは本当に正念場です。

 一方、国政レベルでは、社民党が連立政権の一員として、普天間基地のグアムや硫黄島への移設を、真剣に検討しろ、と政府に要求しましたね。
 しかしそれにしても、まだまだこれから、いくつもの山を越えなければいけないのでしょうね。
 できる限り気長に見守りましょうね。カリカリしても、疲れるだけですからね。

 
 ああ、またスポーツのことが書けませんでした。
 致し方ありませんなぁ。

 週末土日の琉球キングスのホームゲーム(対戦相手は、新戦力獲得でパワーアップの大阪エヴェッサ)は、今から大いに楽しみにしております。


 本日もお疲れさまでした。
 明日もまた良き一日になりますように。

 



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Posted by watanatsu at 23:42 │時事問題