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2009年11月20日

壺屋陶器まつり&ボクシングマガジン

 きょうは天気もよかったので、気分転換の散歩がてら、壺屋小学校のグラウンド(ゆいレール牧志駅のホームから見える、あの学校です)に立ち寄った。
 
 きょうから11月23日まで、「第30回壺屋陶器まつり」が行われているのだ。
 たくさんの窯元がテントを張って、大特価2割引セールをやっている。

 このところ、普天間基地移設に関する芳しからぬニュースに接するたび、どうしても心がささくれだっていた気がするのだが、壺屋焼きの器たちを久しぶりに眺めて、いろいろ手にとって、気持ちが和んだ。
 色合いも形も気に入った大皿があったが、これはさすがに値が張るようで、買うのは我慢。ちょっと余裕ができたら、食卓にこういうのを置きたいよなー。仕事頑張らなきゃねー、と思ったりして、気分はかなりリフレッシュ。
 300~500円ぐらいの「わけあり」のカップや茶碗から、でっかいシーサーなんかもあったりして、いろんな楽しみ方ができる陶器市。この連休、ぜひお運びを。

 気分がいいので、スタスタ歩いて、ジュンク堂那覇店。この書店には、日ごろから少なからず感謝の気持ちを抱いている。立ち読みでなく、どうぞ椅子に座ってお読みなさい、という配慮がなされているので、とっても助かる。こういう配慮に接している客としては、自然に時々は買わなきゃ、という気にもなってくる。

 きょうは、2階の「沖縄コーナー」で、何冊かの小難しい「沖縄論」的書物を斜め読み(座り読み)。出来栄えのすばらしい写真集もいくつか手に取った。ほしい本が定まった。お小遣いに余裕ができたら必ず購入しよう。
 
 1階の雑誌コーナーを眺めていて、目に飛び込んできたのが、内藤大助と亀田興毅、二人の写真を表紙に使った『ボクシングマガジン』12月号。

 いよいよ11月29日、二人の「因縁の対決」が行われる。
 ボクシング界がまた大いに注目されるのは、結構なことである。

 じつはこの号、5日ほど前にわが家には届いている。以前書いたかもしれないが、わたしは同誌の沖縄地区担当記者も務めているので、編集部から毎号送ってもらっているわけである。
 例によって沖縄での発売は、東京の数日後。おそらくきょう、書棚に並びたてのほやほや状態だったかもしれない。
 

 で、きょうの本題は、ここから。

 この『ボクシングマガジン』12月号の「国内リング熱戦譜」のコーナーには、10月3日に名護市21世紀の森体育館で行われたボクシングの試合結果が載っているのだが、あくまで結果のみで、わたしのリポートがない。
 
 通常、編集部とわたしの間の暗黙の了解事項として、6回戦以上の試合には、少しでもいいから実況解説記事を付す、という前提がある。実際、わたしは当日の試合会場へ、沖縄県高校野球秋季大会の観戦・取材を抜け出してまで、高速道路ぶっ飛ばして駆けつけているぐらいだから、書こうと思えば書けた。なのに、記事がない。
 
 なぜこんなことを書いているかというと、当ブログ、沖縄のボクシング関係者も見てくださっているようなのだ。だから、この間の事情を少しお伝えすることで要らぬ誤解は避けられるかもしれないと思う。
 
 最初にお伝えしたいのは、10月3日の6回戦の試合で、見事にKO勝ちを収めた屋富祖裕信選手(琉球ジム)、小谷将寿選手(同)の二人を、決して無視したわけではありませんよ、ということ。

 そして認めなければいけないのは、編集部とわたしの間の意思疎通が足りなかったこと。
 締め切り日の関係で、試合から雑誌発売まで異例の40日余りの時間があり、その間のコミュニケーションにズレが生じてしまった。

 そうしてある日、わたしが締め切りを意識したときには、惜しくも手遅れだった。
 ただ、申し訳ないけれども、これはわたしの責任だけではない。
 編集部は編集部で、わたしからの原稿が到着しないまま、今回の執筆は「お休み」らしいと判断してしまったようである。つまり、わたしに対する原稿催促がまったくなかったのも事実なのだ。
 そういう事情であったことをお伝えし、両選手へのささやかなお詫びに代えさせていただきたい。

 6回戦のダブルメインイベントというボクシング興行で、見事に大役を果たした二人の勝利を、心から祝福したいと思う。琉球朝日放送は、月曜夕方のニュースのスポーツコーナーで、二人の活躍を取り上げてくれていた。結構なことだと思う。

 そこでわたしは、あえて「二人ともここから先が勝負だよ」というエールを送りたい。

 わたしはあらゆるジャンルの競技について、自分が「素人」だという意識をもっている。
 ボクシングも例外ではない。
 しかし、関心を抱いた人物やスポーツについては、素人を承知で遠慮なく書かせてもらってきた。この点において、ボクシングも例外ではない。

 そんなわたしだから、ボクシングに関しても、国内外でいくつもの世界タイトルマッチを取材してきたし、あるいは後楽園ホールなどで、たくさんの一流選手の試合に立ち会ってきた。

 そんなライターの眼から見て、屋富祖、小谷、両選手のボクシングは、「まだまだこれから」である。素質はいいものを持っている。しかし、まだブレイク前夜。力を蓄え、ひたすら技を磨くべき時。

 少し厳しく聞こえるかもしれないが、内輪の応援の盛り上がりに酔っている場合ではない。もっともっと貪欲になって、腕を磨いて、上を目指してほしい。それゆえの苦言である。

 これからの成長と活躍を、心から期待しています。


 10月3日の試合、最も印象に残ったのは、じつは、その日デビュー戦を迎えた4回戦ボーイだった。

 具志川ジムからデビューした奥間思成選手と馬越亮太選手の二人。

 奥間選手は、対戦相手とのリーチの比較で不利があるかに見えたが、初回から果敢にラッシュした。懐に飛び込むバネを見せた。相手を追う足もあり、左ボディの打ち方、角度も悪くなかった。
 そうして3回40秒、相手をマットに沈めて、レフェリーストップによるTKO勝利。今後が楽しみである。

 馬越選手は、大阪出身の移住組。左ジャブをきれいに打つ。ワンツーのタイミング、そのセンスも悪くない。終始自分のリズムで戦うことができて、実戦経験者相手に3対0の判定勝ち。やはり次を観てみたいと思わせるものがあった。

 この両選手、じつはデビュー直前まで、ボクシングクラブ・ナカザトで腕を磨いてきた選手だと知って、なおさら興味をもった。
 そのジムの会長は、元・東洋太平洋スーパーバンタム級チャンピオンの仲里繁氏なのである。

 仲里繁といえば、わたしが一定期間密着取材をさせてもらった一流ボクサーである。
 現役最後の試合となった、フランス・マルセイユでの世界戦(2005年4月)も、追っかけ取材をさせてもらっている。
 間違いなく世界トップレベルの実力を持ちながら、あと一歩のところで世界タイトルには手が届かなかった。しかし今でも、世界王者に勝るとも劣らない素晴らしい試合を見せてくれたボクサーとして、その勇姿は鮮明に脳裡に焼きついている。

 宜野湾市大山の地にジムを開いて、はや3年目。
 アマチュア選手や健康増進目的の人たちを中心に指導している(まだプロ加盟のジムではない)が、教えるのがうまいと評判だ。
 ジュニア指導にも定評があり、実際、息子の周磨君も、少年大会で活躍している。

 そんな仲里会長の教え子ふたりが、去る10月、素晴らしいデビュー戦を見せてくれた。わたしにとっても、感慨深いものがあった。

 沖縄はかつて「ボクシング王国」と呼ばれた。
 そろそろ世界王座へたどり着く選手が出てほしいものである。
 そんな思いに浸りつつ、早歩きのウォーキングになって、ジュンク堂から帰ってきた次第。


 さて、あしたは、「琉球ゴールデンキングスvs大阪エヴェッサ」の試合が、19時から沖縄コンベンションセンターで行われます。

 まだ開幕して1ヵ月あまりだというのに、このカードが沖縄で見られるのは、この土日が最後。
 大阪は、開幕後に選手補強も成功させているので、われわれブースターの本気の応援が必要だという気もしております。

 では、明晩、コンベンションセンターでお会いしましょう。
 わたしは、これからもうちょい仕事です。

 明日も良き一日になりますように。




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Posted by watanatsu at 23:04 │スポーツ