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2010年12月27日

比嘉康雄写真展へ石川真生さんと出かける、の巻。

このところ、なんでもかんでも、じっくり書きたいという思いが湧いて、当ブログをどういう位置づけにしたらよいか、しばし考えていた。

いわゆる「普天間問題」を通して見えてくる沖縄の真実、本土との関係など、については、あるWEBマガジンの総責任編集者であり、もの書きの大先輩でもある方が、こっちで書かないかと声をかけて下さったので、お言葉に甘えて、近々そちらへシフトさせていただこうかと考えている。具現化したときには、もちろんすみやかに読者の皆さんにご報告したい。

改めて書きたいと思うことがたまる一方なので(?)きょうは直近の「備忘録」。

12月25日は、ほとんど丸一日、写真家であり、プライベートでは大恩人であるところの石川真生さんhttp://blog.livedoor.jp/ishikawamao/と行動をともにさせていただいた。じつに久しぶりのことである。

「ほどよく狭い」サイズのこの沖縄島に住んでいる「表現者」ならば、あるいは「生活者」としても、興味関心が多くの場面で他者のそれとリンクしていて不思議はない。その日も、そういう出来事の連続だった。

まず、数日前に真生さんから、「こんどの土曜日は、ピース・キャンドルに行く?」と訊かれた。わたしの場合、琉球キングスのホームゲームがない土曜の夜は、基本的に辺野古まで出かけて「ピース・キャンドル」に参加したいと思っている。行きたいと思っていたと答えた。真生さんも、「今年最後の土曜だし、行こうと思う」とのこと。帰りには、金武町のキャンプ・ハンセンのゲート前に広がる「新開地」のバーへ寄ろうと思っているとのこと。わたしもそうできたらいいと考えていた。

金武の街との付き合いが長い真生さんには馴染みの店が何軒もあるが、わたしが金武の街で寄る店はもっぱらある一軒のバーである。もともと真生さんの紹介で知った店。わたしも店のママの気風の良さ、米軍と共存していることの意味を説明するその語り方も、気に入っている(ママは海兵隊を相手に商売をしているが、普天間基地の辺野古移設は絶対反対、と明言している人だ)。そんなママの人柄にひかれて(?)海兵隊員も地元のウチナーンチュも集まって和気藹々と過ごす、雰囲気のよい店(常連客のうちの海兵隊員の割合は7割ぐらいだろうか)。今年、わたしは名護の帰りにぶらりとひとりで寄る機会が増えて、海兵隊の若い兵士たちとカタコト英語で喋るチャンスを幾度も得てきた。クリスマスの夜の兵隊たちの様子も知りたかったので、真生さんに付き合うのは、つまり大歓迎なのだった。

その12月25日の直前になって、真生さんから、こう言われた。
「比嘉康雄写真展のシンポジウムがあるんだけど、それを聴いてからピース・キャンドルに向かうということでいい?」

これまた、望むところだった。わたしもまったく同じことを考えていたのだ(笑)。
しかも真生さん、「写真展の招待券が2枚あるのよ」ですと。ありがたや。当日入場券1000円分がこれで浮きます(笑)。

比嘉康雄写真展「母たちの神」が、おもろまちの県立美術館で長期(約2ヵ月間)開催されていることは、もちろん知っていた。そして、その土曜日にシンポジウムの最終回が開かれることも知っていた。過去2回のシンポは、都合がつかず行けなかった。3回目の最終回ぐらいは駆けつけたかった。

というわけで、真生さんを助手席に乗せて「マイカー」(笑)で出発。
先にシンポジウムのトークを聴き、そして写真展を観た。

真生さんもブログで書いているが、比嘉康雄の写真は、いつ観ても本当に素晴らしい。世界に誇るべき沖縄の写真家のひとりである。

作品の大半は、わたしがすでに全12巻の写真集『神々の古層』シリーズ(ニライ社刊)などで知っているものだった気がするが、その作品たちと向き合うときの厳かな緊張感は、その日もすこぶる新鮮なものだった。

そうして作品たちと向き合いながら、シンポジウムでパネリストによって明らかにされた比嘉康雄の生前(没後10年になる)の目論見に想いを馳せた。

12巻の写真集は、30巻ぐらいまで続ける予定だったというし、久高島や宮古島を中心にたくさんの島々で撮影した作品たちを、彼はさらに再構築して1冊の写真集にまとめたかった、とのこと。

ああ、もっと長生きしてほしかった、というのが、一ファンとして改めて抱いた率直な心情である。


ここまで書いたところで、大恩人・金城清子さんの四十九日の法要に出かける時間となった。

では、また。

(この項、つづく)



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Posted by watanatsu at 13:23 │芸能・芸術