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2011年04月08日

産経新聞・宮本雅史殿、沖縄をなめてはいけない!!

わが脳内で混乱が起こっている。
誰かとのメールのやり取りで書いたのか、ブログで書いたのか、始めたばかりのフェイスブックで書いたのか、数少ないながらも最近いくつかこなしてきた注文原稿のなかで書いたのか、自分でも「どうだったかな」と思う瞬間が増えている。ただでさえ、WEBオンチなのだから、この「混乱」には、気を付けねばならんと思う。おまけに昨夜は、登録さえうまくできなくてずーっずっとソッポを向いたままだったツイッターの世界でもデビューを果たしてしまったし(きのう2回、けさ1回呟いただけだけれど)、心して頭を整理してかかりたい。さて、正真正銘のWEBオンチが、これだけその世界に手を広げたのも、この「情報の海」をしばらく泳いで体感してみる価値はありそうだな、と、ようやく思えたから。忘却力が発達する一方の己の頭の体操にもなるし、と。

前置きはさておき、昨夜、写真家・石川真生さんのブログを開いてこれhttp://blog.livedoor.jp/ishikawamao/archives/65968371.htmlを読んで、わたしも怒りを覚え、そしてあきれた。

そこに紹介されていたのは、実現可能性ゼロの「普天間基地の辺野古移設計画」は当然であり、推進すべきだという主張を臆面もなく披露し続けてきた、あの悪名高き産経新聞の、那覇支局長が書いた、どうしようもなく拙劣で、しかも沖縄への差別意識を露呈させた、ひどい記事だった。

次のような見出しの記事。本当になんとかも休み休み言え、である。
↓↓↓

沖縄、米軍への共感じわり 地元紙は「普天間問題に利用」主張
2011.4.7.00:36

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110407/dst11040700390001-n1.htm

以前にも当ブログで指摘したように「ウソ記事」を書いて平然としている記者(=宮本雅史那覇支局長)のおバカな記事(佐藤優氏らとの共著『誰が日本を支配するのか!? 沖縄と国家統合』(マガジンハウス刊)の中でも、わたしは宮本雅史氏を批判している)なのだから無視すればいい、という考え方もあるだろう。だが、実売部数は読売のように多くないとはいえ、以前触れたように、ネットの世界では閲覧者が多くなる仕掛けになっている新聞だ(たとえばi-phoneでは、無料で産経の全紙面が読めるらしいではないか)。だから、ささやかながら、いろんな場所でいろんな人間が、反駁を加えたほうがよいと思うのだ。


で、本題。

この記事を書いた産経・宮本雅史氏は、地元紙の沖縄タイムスと琉球新報に対して、一見するとケンカを売っているように見える。
しかし、ケンカを売っている割には、売っているそばから、トホホ、気の毒なことに負けてしまっている。

なぜなら、沖縄の地元紙が米軍の被災地支援の活動を大きく報じないことに不満を抱いている宮本氏自身が、単なる偏向記事を書いているに過ぎないからだ。「大震災という、誰もが心を痛める事態に乗じて、米軍がここぞとばかりに自らの存在意義を喧伝する様に、どれだけ多くの沖縄県民が不快感と怒りを覚えるか」、その点に関して誰の声にも耳を傾けず、まるで報じようとせず、ただ偏向記事を垂れ流そうとしている、それだけの話だからだ。

断っておくが、災害支援で働く一人ひとりの米軍の隊員に対して、不快感を示す沖縄県民などいないはずだ。
だが、ここぞとばかりに存在意義をアピールしようとする米軍の広報姿勢があからさまであり、それをあえて冷静に眺め、乗せられないようにしているのは、むしろ沖縄の新聞の見識として評価すべき点だ。

しかし宮本記者は、自分の主張をさも正当なものに見せかけるために、その補完物としての都合のよい人物(またその人選が、ああなんだそういうこと、と、わかりやすいので、なおさら墓穴を掘っている)のコメントをつなぎ合わせただけの、どこにでもゴロゴロしているお粗末な記事。

だからケンカを売ったつもりが、勝負になっていないのだ。

産経も沖縄の新聞も、お互い様だね、どっちもどっちだね、で済ませるわけにはいかない。
ヤマトンチュの記者である宮本氏の姿勢を、沖縄ファンのヤマトンチュの移住者としてのわたしは、これ以上はないというほどに、恥ずかしく感じている。

ウチナーンチュがヤマトンチュから受けてきた酷い仕打ちの数々(その代表例が、国土の0.6パーセントの沖縄県に、在日米軍専用施設の74パーセントを集中させている、という米軍基地の過重負担である。日本国民全体が沖縄に押し付けて平然としているのである)を、一顧だにせず、米軍をありがたく思え、沖縄に米軍基地があるのは当然だと思え、と迫ろうとする。盗っ人猛々しいとは、宮本氏のような姿勢を指す言葉ではなかろうか。

わたしはこういう姿勢を断じて許さない。
正義の使者ぶって言うのではない。
自分が悔しいから、である。自分のため、である。
沖縄ファンとして沖縄に住むことを選んだ己の心持ちの根幹にある重要な部分を、横柄な態度で攻撃してくる記事であるがゆえに、わたしは絶対に許さんのである。

わたしはこれからも「普天間問題」に関して、ささやかながら、複数の表現の場を借り、複数の表現方法をとりつつ書いていくつもりである。きょうこの場で、怒りを発散させて終わり、ではない。

宮本氏は、いつか那覇支局を離れて、沖縄のことを気にも留めなくなる日がくるのかもしれないが、こちとらはそうはいかない。

また、あえていえば、わたしは沖縄タイムスや琉球新報が完璧な新聞だとは思っていないのだが、宮本記者よ、あなたの内部にある無意識の沖縄への「差別意識」に基づいて書く浅薄な記事では、ケンカにはならないよ、とだけは述べておこう。

宮本氏が記事中でわざと名前を伏せた「大学教授」とは、佐藤学沖縄国際大学教授のことだが、宮本氏の浅薄な記事と比べて、こうも違うかというぐらいに、佐藤教授の語り続けている「海兵隊不要論」には説得力がある。わたしも最近個人的に教えを乞う場面も増えている。

読者諸賢には、琉球新報の原文をじっくり読んでいただきたい。
いや、ここにアドレスだけでも紹介しておこう。
わたしもすでに記憶にとどめていた記事だ。産経の浅薄なそれに比べれば、何倍も説得力ある記事である。
↓↓↓
2011年3月17日・琉球新報記事
存在意義アピールに「不謹慎」
在沖海兵隊が震災支援で
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-174865-storytopic-3.html

2011年3月18日・琉球新報社説
[米軍の災害支援]それでも普天間はいらない
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-174892-storytopic-53.html

3月17日の記事にコメントが載った佐藤教授も、きっとこのたびの産経の記事はチェックされていることだろう。もしかしたら「宮本さんよ、わたしのところに取材にくれば、ちゃんと丁寧に解説してあげたのに」と思われたのではなかろうか。

いずれにしても、宮本雅史記者よ、多くの良識ある沖縄県民に、これ以上余計なエネルギーを使わせんでほしい。じっと静かにサボタージュでもしていてくれないだろうか。

最後に、石川真生さんのブログの中の言葉を引用して、きょうのところは矛をおさめる。

                 *


記事を読んでいて、とてもむかついた。震災を利用したこういうキャンペーンがこれからどんどん始まるんだろうな。しまいには情けなくて情けなくて、心臓がドキドキして苦しくなった。ああ・・・

このままでいいわけない。沖縄人の意地を見せないとだめだわ。負けるものですか!!


                 *

わたしにとっての大恩人だから引用したのではない。
この声をウチナーンチュの代表的な声として胸に刻みたいからである。
そして、沖縄に住むヤマトンチュとして、しっかりと賛同の意を表明しておきたい。

産経新聞よ、沖縄をなめてはいかんぞよ。

沖縄の新聞、頑張れ!!



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Posted by watanatsu at 09:09 │時事問題